ミノくんの演劇「ランデブー」を観た娘が内容と感想を送ってくれましたので紹介します。
あくまでも個人的な経験がもとになっている点、そしてあらすじが含まれる事、またそのあらすじが100%合っているかは分からない事をご理解いただきますようお願いします。
追記の部分は斜体にしています。
ランデブーとは
ミノくん演じるロケット開発者テソプとジャージャー麺屋の娘ジヒ(キム・ハリ)のお話です。
時々ベルトコンベアーのように動く細長い舞台の上に大道具は無し、小道具はメガネと携帯のみ。登場するのは2人だけ。約100分間、一度も舞台から袖に引くことなく展開するそうです。
作品のポイントは傍白(ぼうはく・aside ・방백=パンベク)で、これは相手役には聞こえず観客だけに知らせるかたちで話すセリフのことです。
ランデブーの語源はフランス語で待ち合わせのこと。宇宙開発分野ではお互いに接近する操作のことです。
ランデブーのあらすじ
250412 自由小劇場
テソプ
ミノ演じるテソプは宇宙ロケット開発者。ロケット打ち上げに失敗してしまい謝罪会見している場面から物語はスタート。
テソプは毎週水曜日はいつも同じお店のジャージャー麺を食べる。ジャージャー麺屋の常連客。その店はヤクルトをいつも4本くれ、ソンマンドゥ(餃子)などのサービスもよくしてくれる。
テソプはこだわりマン。決められたルーティン通りに過ごすのが好きで落ち着く。家具の位置や角度、毎日食べるものまで決めている。
ジヒ
ある日、女の子がテソプの会社に押しかけてくる。テソプが電話で「最近はヤクルト一本しかくれないしジャージャー麺の味が変わった」と電話してきたり「麺は何ミリでお願いします」と細かな注文をしてくるからうるさすぎると怒っている。
彼女はジャージャー麺屋の店主の娘と判明。そしてテソプは店主が3ヶ月前に癌で亡くなったことを知らされる。今は店主の娘ジヒがお店を切り盛りしている。
近づくテソプとジヒ
ジャージャー麺は味が変わったけど美味しいとテソプはいう。グリンピースは5個入っていなきゃダメとかたくわんの切り方がカクテキみたいな形じゃないとダメとかレシピについて色々言ってくる、それをジヒに教える。
テソプのお父さんは元々ジャージャー麺屋さんの常連客で、お客さんにヤクルト4本サービスで渡すことを提案したのもテソプのお父さん。
テソプとジヒが口論になり、テソプは次回会った時に謝りたいと電話する。
会った時に謝るけれど、やはり言い合いになりがち。
ジヒは生前の父の姿をよく知らないから逆によく知っているテソプに「父について教えてほしい」と言う。娘なのに父のことをよく知らないのが不思議だなとテソプは思う。
ある時、テソプがジヒを酔った時に家までおんぶしてお世話してあげた。
テソプは人にいきなり触られるのが苦手で恐怖症であるにも関わらず、ジヒは「一緒にダンスを踊ろう」と言って2人はダンスを踊る。相手には触れないダンスで、パントマイムのように向かい合いながら手を合わせないギリギリのラインで鏡になるように踊る。
そんなこんなで2人の仲は深まりタメ口で話すほどになる。
テソプの生い立ち
テソプの家にジヒが来た時、家族写真を見ていたジヒはテソプが幼い頃に家族全員(両親と兄)を交通事故で亡くしたことを知る。
テソプは施設で育ち、写真に映っていたジャージャー麺屋の店主と自分の父親が仲良かったことを大きくなってから知る。しかし自分が友人の息子であることをジャージャー麺屋の店主には言えなかった。
みんなに知ってもらいたい秘密がある。それはオンマが亡くなる前に通っていた教会の牧師さんがやっていた保育園(多分施設?)にテソプが小さい頃に寝てる間に、自分は具合が悪くて育てることができないから代わりに育てて下さい働いて仕送りしますからお願いしますと懸命に頼んでいる場面だ。
テソプは幼い頃の自分の故郷さえも知らなくて、大きくなってからここ(舞台の場所)が故郷だと知る。
ある日、江原道に星を見に行った日に事故でテソプ以外の母、父、兄の家族全員が亡くなった。
テソプは事故で家族を失った時から毎日が地獄で、ロケット飛ばして、この地獄から抜け出したかった。ジヒのお父さんがいなかったらもうここにはいないほど父親のような存在だった。
ジヒの過去
ジヒは両親がむしろ離婚して欲しかったと言う。母親が体調を崩しても父親はお世話をせずに母が亡くなってしまう。中学生の頃には昼は学校、夜はジャージャー麺屋を手伝ったりして忙しい毎日を送った。そんな父親に愛想が尽きて家を出てソウルの芸術高校に進学した。だから父親がどんな人なのかよく分からないという。
ジヒは元々はソウルに住んでいたが、父が事業に失敗し母、妹か弟、父と家族共に田舎にきてジャージャー麺屋さんの営業を始めた。ジヒの母は今まで経験したこともないジャージャー麺屋の仕事により体調を崩し、でも葬儀の日にも父は営業しジヒが中学生の時に学校、母親の看病、ジャージャー麺屋の手伝いをしていた。父親について詳しく知りたい理由は堂々と恨みたいから。
ひかれ合うが届かない2人
2人はお互いに無いものを持っていて補いあえる存在なのでは無いかとお互いに惹かれあって付き合いそうな流れ。でも走っても走ってもお互いに届かないという、やはり合わないのでは無いかと思う演出がある…
伝えていなかった本心
そんな中ある時、(別々に)お見合いしてみない?とジヒが言う。そして2人は偶然同じお店でお見合いをすることになる。
そこでジヒがソウルに戻ろうとしていること、テソプが新たなロケットの打ち上げをストップさせていることを知る。
それぞれの思い
その後2人はなぜ黙っていたの?とお互いに聞く。
残るはテソプが許可を出せばロケットの打ち上げがすぐできるのにそこまでしてストップさせる理由はなにか。今ロケットを打ち上げ、そのあとは有人ロケットを打ち上げることになるがその時もし安全性が確保されていなければその人は命を失うことになる。(自分のように)誰かの家族が犠牲になると言う。
ジヒは父親を殺したいほど恨んでいるという。でもジャージャー麺屋の店主であるその父は、家族を失ったテソプにとっては家族のような大切な存在なのだと知った。
立場が違う2人は口論になり涙ながらに2人はお互い合わないとやめようと言う流れになる…
ジヒの不運はテソプの幸運。努力してもお互いを理解してようとしてもできない現実。2人は別れることになる。
ふたたび踊る2人
最後は2人がまたダンスを踊る。今度はジヒではなくテソプがリードしながら、そして触れ合いながらダンスを踊る。そこにロケットが打ち上がるアナウンスが流れ幕を閉じる。
感想
- 俳優、チェミノを見た瞬間。
- 涙の演技は実際に涙を流していて声を震わせながら演技してた
- たまに目が合うくらい会場が小さくて近い笑
- パンベクのナレーションをしてセリフに入る流れが多い (テソプは〇〇と言った。コイツはおかしいのだろうか?➡️からの普通のセリフみたいな)
- とにかく莫大なセリフの量でリスニングが大変。
- パンベク部分はライトでその人物だけ照らして表現。
- 고기기(コドーを待ちながらを待ちながら)とはまた全然違う雰囲気
- スーツかっこいい😎
- セリフではなくダンスで心が通じ合うという場面が個人的には好き。
- 舞台セット、照明、小道具、衣装替え、一度も袖に引くこともないから役者と想像力の世界。
- たまに出るアドリブおもろかった。(テソプが「ダンス全然できないよ」って言ったら、ジヒが「え、でも幼い頃からSHINeeっぽいけど」とか言ってた笑)