見出し画像

#132 「あなたは、何のために生きたいの?」ーー
鎧を脱いだ河原説子さんが
「共創」にたどり着くまでの人生物語④

 

こんにちは!

「あなたは、何のために生きたいの?」ーー
鎧を脱いだ河原説子さんが
「共創」にたどり着くまでの人生物語④を配信しました。

ひとりひとりの人生・オンリーワン | Podcast on Spotify
オンリーワン Podcast - Apple Podcasts
オンリーワン Amazon Podcast
Stand.fm

画像
河原説子さん

1.「教えてあげる」が招いた黒歴史。

プロフェッショナルファームの間接部門会社で
複数社のリーダーとの対話を通して、
組織の変革を実現してきた説子さん。

 

でも、いざ自分自身の部門を率いる立場になったとき——
そこには誰も知らない"黒歴史"がありました。

 

「自分は経験している、
知っている。
みんな知らない。
だから教えてあげる」

そんな思考が、抜けなかった。

 

部下ができないと「なんでできないの」と問い詰め、
自分が納得したものでないと外に出せない。

 

だから全部チェックする。


会議に呼ばれても時間がないからと、
途中で「これとこれとこれ、やっといて」と
一方的に切り上げる。

 

「今思うと、本当に恥ずかしい黒歴史だと思います」

そう笑いながら振り返る姿が、
印象的でした。

2.誰もついてこない。相談相手もいない。
心が折れかけた夜

変革を起こそうと
必死になればなるほど、
周囲の理解は追いつかない。

 

自分では「大変な状況だ」と思っていても、
それは誰にも伝わらない
孤独な戦いでした。

 

「ハートが折れそうになる、、、」

そう漏らすほど
追い詰められていたとき、
支えになったのが
エグゼクティブコーチの存在でした。

 

対話をする中で、
折れかけていた心が少しずつ
「正常に戻る」感覚があったといいます。

 

けれど結局、説子さんは
その会社を去ることを選びます。

3.コーチングスクールで
「内面をえぐられる」経験

自分の得意分野とは少し違う部署に
異動したことをきっかけに、
時間ができた説子さん。

 

定年後を見据えて
対話やコーチングを学ぶ学校に通い始めます。

 

そこで待っていたのは、
想像以上の体験でした。

「どんどんどんどん
内面をえぐられるんですよ」

 

鎧をまとい、
自分の失敗を語りたくない。

 

うまくいかなかった過去になど触れたくない——
それでも問われ続けます。

 

「あなたは何がしたいんですか?」
「何のために人生をやりたいんですか?」

 

そのたびに、
鎧が一枚ずつ剥がされていく
感覚があったそうです。

 

そして、ある問いが人生を変えました。

「今やめたら、何か問題がありますか?」

 

定年まで勤め上げようと思っていたはずなのに、
その一言で退職を決意します。

4.「疲れたおばさんのよう」

当時の自分を、説子さんはこう表現します。

鎧をかぶって、
自分らしさを失い、
笑うことも減っていた。

 

表情はいつも険しく、
実家に帰れば母親から
「病気なんじゃないの、大丈夫?」と
心配されるほどだったと言います。

 

それでも
「エグゼクティブコーチのおかげで大丈夫でした」と、
今は笑って話せる。

この変化にこそ、
コーチングという営みの
本質があるのかもしれません。

 

5.独立後、1年間仕事がなかった現実

資格を取得したころに
退職し、
個人事業主としてスタートした説子さん。

「すぐにお客様がつく」——
そんな夢を描いていたものの、
現実はまったく違いました。

 

3ヶ月ほどは
「サラリーマン時代との感覚の違い」に
戸惑い続けます。

 

大きな会社の名刺を持っている
安心感がない。

全部自分でやらなければならない重み。
もんもんとする日々。

 

そして、
ほぼ1年間、
仕事がない時期が続いたといいます。

6.小さな達成でガントチャートを塗りつぶす

大きな契約や
理想を追い求めるほど、
結果が出ない現実とのギャップが
「自己否定」につながっていく——

そのことに気づいた説子さんは、
発想を変えます。

 

大きな目標ではなく、
小さな達成でも喜べるように
ガントチャートを組み直したのです。

 

小さくても前に進む実感が、
少しずつ稼働力を生み出していきました。

 

5ヶ月目あたりから、
状況は少しずつ変わり始めます。

7.たどり着いた答えは「パーパス」だった

こうした経験のすべてを経て、
説子さんが本を書き、
いま一番伝えたいこと。

 

それは「パーパス」でした。

ミッション・ビジョン・バリューという言葉が
当たり前になった今、
説子さんはパーパスをこう定義します。

ミッションの中でも、
とりわけ「社会に対する存在価値」を指すもの

 

かつては「自分が何をしたいか」だけで
完結できた時代もありました。

 

しかし社会課題が可視化された今、
「社会のために何をしたいか」を
持たない組織や個人は、
共存共栄できない時代になってきている——

それが、説子さんの実感です。

 

そして、パーパスを持つことで起きる変化は2つ。

  • 共感者が自然と集まってくる

  • コンフリクト(対立)が起きても、
    同じ目指す姿を共有していれば
    対話ができる

支配的なリーダーシップで心を折りかけ、
独立で1年間の停滞を経験し、
それでもなお前に進み続けた
説子さんが最後にたどり着いたのは、

 

「何をするか」ではなく
「何のために存在するか」という、

 

シンプルで力強い問いでした。

8.品質管理、製造、開発、営業が、
なぜいつも揉めるのか

製造業でよくある光景だと
説子さんは言います。

 

品質管理、製造、開発、営業——
それぞれの部署が
「こっちが悪い」
「あっちが悪い」と
達成できない理由を自分以外に求める。

 

原因は、
それぞれが「自分の部署の目的」という
レベルで話しているからだといいます。

 

けれど、もし
「私たちの会社は
社会のために
こういう目標を持っている」という

一段高い視点で
語られたらどうなるか。

「社会のためにって言うと、
コンフリクトしてられないんですよね」

もっと高い次元で話す。

 

それだけで、
対立は成立しなくなる——

シンプルだけれど、
実践するのは簡単ではない
発想の転換です。

9.数字で語れないものを、
みんなの目標にするには

とはいえ、
多くの現場では
「数値」で語れる
目標が求められます。

 

目に見えない、
ふわふわしたものでは、
人はなかなか目標として持てないもの。

 

だからこそ
必要になるのが
「対話」だと説子さんは語ります。

 

パーパスに近づくために
何ができるのか——

それをみんなで話し合う
プロセスそのものが、
組織を動かす
「起動力」になっていく。

 

対話がなければ、
パーパスは生まれない。

10.  本を書いたことで、自分が変わった

パーパスに関連する本
「コーチングスキルで伸ばすリーダー力」を
出版したことで、
説子さん自身にも
変化がありました。

画像
 

まず、自分がやりたいことが明確になり、
人に伝えやすくなったこと。

 

そして——

「この本を読んでくださった方から、
声がかかるようになったんですよね」

 

決して大きな売れ行きではないと
謙遜しながらも、
本を書くことで
自分の頭の中が整理され、
伝える力が増した実感があるといいます。

 

そして説子さんの事業は
個人事業主から
株式会社へと成長。

11. 3つの柱で描く、これからの事業

株式会社となった今、
説子さんが見据える未来には、
明確な3つの柱があります。

 

1つ目は、海外駐在員支援。

独立直後、
コーチ仲間と一緒に始めた事業です。

日本企業は
国内市場が縮小する中、
東南アジアなど
海外に活路を見出さざるを得ません。

 

しかし欧米進出で
すでに何十年もかけて築いてきた
財務や人事の専門体制と違い、
東南アジア進出はまだ始まったばかり。

 

製造業の技術者が
いきなり現地法人の
社長を任されるようなことも
珍しくないといいます。

 

現地で最も苦労しているリーダーたちに、
コーチングと対話のスキルを届ける——

それがこのプログラムの原点でした。

 

一期生の言葉が、
今も彼女たちの支えになっているそうです。

「国が違って、
言語が違って、
宗教が違っても、
人間の本質は変わらない。

 

対話が人間関係を変え、
仕事の成果につながる」

 

2つ目は、エグゼクティブコーチング。

かつて自分自身が救われた立場から、
今度は自分がコーチとして
誰かを支える番です。

 

3つ目は、実行力を高める経営変革支援。

「素晴らしい戦略があっても、実現できない」——

説子さんが自身の失敗から
痛感してきた課題です。

だからこそ、
その失敗の経験こそが、
他社の実行力を高めるための
最大の武器になっています。

12.  承認がない文化が、人を動けなくする

海外駐在員支援の現場で見えてきたのは、
「承認」の重要性でした。

 

日本の文化では、
人をあまり褒めない。

 

承認がなくても「当然」だと捉えられがちです。

しかし東南アジアや欧米は、
承認し合う文化。

承認されないと
「否定されている」
「信頼されていないのでは」と感じてしまう。

 

「やっていいのか?」
「上司は自分を嫌っているんじゃないか?」——

そんな不安を抱えたままでは、
人は自分から動けません。

 

多くのリーダーたちは
「なぜ自分で考えて仕事をしないんだ」と嘆きますが、
必要なのはまず承認。

 

不安を取り除き、
自信を持たせること。

 

そうすれば、
人は自然と動き出す——

説子さんはそう伝え続けています。

13.  IQ、EQの次に必要な「DLQ」という指数

説子さんは、コーチ仲間と共に
対話の力を体系化した
独自の指標「DLQ」を提唱しています。

 

  • IQ(知能指数)= 頭の良さ

  • EQ(心の知能指数)= 感情を理解する力

  • DLQ = リーダーに必要な"対話力"を体系化した指数

対話がうまく機能すれば、
組織は本当に変わっていく。

 

その実感から生まれた、
彼女ならではの武器です。

14.  目指すのは「共に創る」社会

3つの柱がすべて実現したとき、
説子さんは何を見ているのでしょうか?

 

「共創リーダーに溢れる、
共に創る社会なんですよ」

正解のない不確実な時代に、
天才が一人ですべてを
解決することはできません。

 

だからこそ、
新入社員でもベテランでも、
それぞれ違う視点を持ち寄ることで、
まったく新しいものが生まれる。

 

そんな「共創」を生み出せるリーダーで
溢れる社会にしたい——

 

それが、支配的なリーダーシップで
心を折りかけた過去を持つ、
説子さんがたどり着いた願いでした。

 

「教えてあげる」という思い込みから、
内面をえぐられる痛みを経て、
小さな達成の積み重ねへ。

 

そして最後にたどり着いたのは、
「社会のために何をするか」という、
たった一つのシンプルな問い。

さて「あなたは、何をしますか?」

次回も、誰かの
「オンリーワン」を配信します

人には、
誰にも話したくない失敗がある。

心が折れそうになった夜がある。

 

そして、
そこからもう一度、
人生を動かし始めた瞬間がある。

 

説子さんの人生も、
決して最初から
順風満帆だったわけではありません。

 

「教えてあげる」から始まったリーダーシップが、
やがて自分自身を苦しめ、
コーチングとの出会いによって、
少しずつ「共に創る」という生き方へ変わっていった。

その一つひとつの物語に、
きっと私たち自身の人生と
重なる部分があるのだと思います。

 

人生に、同じものは一つとしてない。

だからこそ、
一人ひとりの人生には、
その人にしか語れない物語がある。

 

この「人生配信、オンリーワン」では、
これからも、
そんな誰かの人生を、
対話を通して
届けていきます。

 

次回は、
どんな人生の物語に出会えるのか?

ひとりひとりの人生・オンリーワン | Podcast on Spotify
オンリーワン Podcast - Apple Podcasts
オンリーワン Amazon Podcast
Stand.fm

河原説子さんプロフィール

株式会社コーチャル 代表取締役。
コーチングと、
自身の組織変革の経験を活かした
「変革の実行力を上げる」コンサルティングを行う。

 

河原説子さんのSNS
Setsuko Takahashi | LinkedIn
Facebook

著書に『コーチングスキルで伸ばすリーダー力』(ぱる出版)

Amazon.co.jp: コーチングスキルで伸ばすリーダー力 eBook : 河原説子: Kindleストア

画像