Max Valu Tanjai
イオンがタイで金融業で知られているというのは 正解。「サワディーカ。イオン カ(こんにちわ イオンです)」って会話は金融ローンだと多くの人が思っていて、タイではよくジョークで使われる金の取り立てのフレーズである。
でも、Aeon(イオン)が金融で進出したかというと、それは 不正解。84年にSiam JUSCO(ジャスコ)としてJUSCOでタイに進出している。
結果、今でも郊外を中心にJUSCOを11店舗を持っていて、バンコクにはスクムビット71にある。そんな遠くまで行った事ないけど。
マレーシアへ行ったことがある方はご存知だと思うが、イオンのマレーシアでの戦略が上手だった。現在デパート形態、ハイパーマーケット形態を含めても48店舗+スーパーマーケット形態を抱えている。このマレーシアのJUSCOの進出は正直、日本のイオンの進出と似ていると思う。
今後インドネシア、カンボジアでも大規模店舗開店が予定されていて、ラオス、ミャンマーでも大規模で進出といわれている。
それに対し、タイは大型店舗より先に金融に力をいれたために、金融が強く、タイ大店法(2005年)までに小売に力を入れなかったので、イオンのイメージとしてはローンが強い。またタイ人は名前をブランドとして覚えるので、JUSCO、Max Valu、AEONと別に見てる人も多いので、Aeon名義は金融しかないのでこうなるのだろう。
結局のところ、前述の通り小売はタイ大店法騒動後に力を入れている。2007年以降にMax Valu スーパーマーケットとして都心を中心に現在約60店舗構えている。(Max ValuにはMax ValuとミニスーパーのMax Valu Tanjaiの2ブランドがある)
イオンは韓国、フィリピンのようにミニストップでコンビニ出店してる国もあれば、前述のように大規模店舗でしかける国も多いが、小型店舗であるスーパーマーケットを中心にしかけているのはタイだけなのである。
このイオンがバンコクの都心を中心に60店舗という状況はとても面白いことだと僕は見ている。都心店舗が欲しく、東急ストアを買収をしようしてたと噂されたり、イオンがダイエー支援の条件としてマルエツを傘下に収めた2000年代半ばにイオンが欲しかった都心中心の出店戦略がタイのMax Valuの元になって思うからだ。(買収対象になっちゃうけど)
実際の出店の多くがMax Valu TanjaiでミニスーパーとしてBTSの駅近くや通り沿いの空き店舗での出店なのである。
面白いことにミニスーパーという概念がまだタイには無く、ミニスーパーとして市場開拓したのはイオンの戦略勝ちだと思う。
(これはスーパーの一般定義の規模とタイ大店法案で認められている規模が一致せず、スーパー定義内でも小規模しか出店が認められてないからでもある)
タイのスーパー業界の形態別で見てみるとスーパーマーケット形態(SPM)の下はコンビニ形態(CVS)。
どの企業もブランドを変えているが、SPM内でスーパーとミニスーパーをブランドを買えているのはイオンだけ
例)
Tesco Lotus Talad(SPM)
Tesco Lotus Express(CVS)
Big C Market(SPM)
mini Big C(CVS)
Tops Super(SPM)
Tops Daily(CVS)
さて、その Max Valu(マックスバリュ)。タイではMax Valu Tanjai(マックスバリュ タンジャイ)としてタイ語で"迅速" "快適"といった意味のタイ語を追記した名前になっているにもかかわらず全然サービスは宣言通りではないのが特徴。
だいたいどこの店も品切れをしていて、レジで人がたくさん並んでても1、2人のスタッフさんがのんびりとレジ打ちをしていて、他の人は他人顔。だいたいレジ待ちの客は呆れていてTanjai なんて口ばっか。たぶん日本のシステムで人員数を少なめに設定しているのだろうね。
今まで家の近くにMax Valuがあるような場所では生活したことが無いので、印象が悪くなることもなく、そもそもこういう店が日本のMax Valuなのだろうと思っているのだが…。
ローソンの開店、そして昨年のファミリーマートのCentralの買収と今年はいろいろとタイではコンビニ形態が騒がれているにも関わらず、市場顧客や商圏、出店立地は一致してもイオンはコンビニ形態には参入してないからいろいろと面白いなっと思ってみてる。
※ 追記
一部、記事を書き換えました
2005年のタイ大店法は、審議1回で審議中断している模様。
しかし、法案審議の再開にならないのは小売企業側が自主規制をかけているからで、
背景としてはBig C、Tescoの自主規制または賄賂が背景にあると噂されている模様です