Best of Vanessa-Mae(16曲入)
Vanessa-Mae(陳美、ヴァネッサ・メイ)のベスト盤「Best of Vanessa-Mae」。2003年に英国でリリースされた作品。日本でもリリースをと待っていたが、最終的に日本盤がリリースされたのは、今年2006年4月。トリノオリンピックで荒川静香の使ったTurandot「Nessun Dorma from Violin Fantasy on Puccini's 'Turandot'」 が収録されていたからだ。今年日本でリリースされた「トゥーランドット~ベスト・オブ・ヴァネッサ・メイ」は、アメリカ盤ベースで、英国でリリースされた16曲収録のモノより1曲「Art of War」が少ない15曲収録になっている。
クラシックと“Techno Acoustic Fusion”(Vanessa-Maeが1stアルバムで提案したデジタル音楽と融合という画期的発想)が1枚になっているので、賛否両論だろうが、僕はこのVanessaの定義が好きである。クラシックを愛し、曲をよく理解しているからこそ、彼女の”Techno acoustic fusion”は面白いのだと思うからだ。
Vanessa-Maeは78年シンガポール生まれの中華系英国人バイオリン奏者(実父はタイ人)。4歳のときに英国に移住。ロンドン王立音楽院で学んだ後に、10歳でコンサートデビュー。13歳の時にはフランスでクラシックアルバムをリリースしている。94年にEMIと契約。95年にリリースしたデビューアルバム「The Violin Player」から、“Techno acoustic fusion”なバッハ作「Toccata & Fugue in D Minor(トッカータとフーガニ短調)」が世界中のClubで大ヒットし、クラシック界で異例の大ヒットを記録する。後にクラシックとデジタル音楽を融合させたグループが多々出てくるが、先陣を切り、ビルボードのClassic Crossover ChartやClub Play Chartでスマッシュヒットを飛ばしたのはVanessa-Maeである。そういった流れを受け、95年当時所属していたEMIはクラシック部門販売を開始したデビューアルバム「The Violin Player」をPops部門に販促部門を変更して販売した。その後彼女はクラシック作品「The Classical Album 1」(1996)、「Classical Album 2 'China Girl'」(1997)、「The Original Four Seasons and The Devil's Trill Sonata」(1998)、「The Classical Collection - Part 1」(2000)と出す傍ら、デジタル音楽と融合したPopsアルバム「Storm」(1997)(このコメントはコチラ)、「Subject To Change」(2001)とリリースしている。また、香港返還式典、Wolrd Music Awardを始めとする諸式典や、Janet Jacksonの「The Velvet Rope」(このコメントはコチラ)などにも参加をしている。
Sonyに移籍してからは2004年末に英国でリリースされた(米国では2005年発売)「Choreography」というクラシックアルバムを最後にリリースが止まっているVanessa-Maeだが、活動サイクル的に、今年年末から来年初めでリリースがありそうな気がする。