誰もいつかは行く道 | 紅い野ばらの里山便り

誰もいつかは行く道

先日 友人から誘われていた草笛光子さんの舞台公演を観に行きました

草笛光子さんがライフワークにされているという「6週間のダンスレッスン」という舞台公演です
実はこの舞台公演の内容も予備知識も何もありませんでした
なので誘われた時もあまり気のりはしなくて 久しぶりに会う野ばらより5~6歳年上の友人二人と久しぶりのおしゃべりと食事を楽しめればいいかなという感じでした
でもそれは無知ゆえのとても失礼な認識でした

舞台公演の内容は・・・
夫に死別した72歳の教師の命の終わり際に素晴らしい出会いがあり 心ときめいて輝く日々を得て命の終わりを悔いなく送るというストーリーです

牧師の夫とは 娘の不幸な死によって溝が深まり その溝が埋まらないまま6年前に夫を見送ります

一人暮らしの不安と悲哀 老いてくる苦しみ 哀しみ 病気が見つかり命の終わりを悟りながら生きる日々に ダンス講師の青年と出会い 心の交流とダンスに輝く日々を得る

草笛光子さんは御年80歳 継続は力なりという言葉のように 松竹歌劇団で長年踊りのキャリアを積まれ 対談後も活躍され 実生活でもずっと続けられているだろうダンスレッスンの努力の日々があるから ご高齢でも2時間半という舞台を務められるのでしょう


老いてくる苦しみと病の苦しみ 青年の言葉が心に残ります 「若い人もいつかは老いて死んでいく その順番を待っているのです」 という言葉


若く美しいことが心の支えであるけれど 気付いたらもう老女 それを認めても心の中にまだ燃えている女としての情熱 その女であることが誇りだから老いを受け入れることが余計に辛い
その気持ちが痛いほどわかります

もう若くはないことを自覚し始めた野ばらです 
それでもまだこの主人公よりは若い まだ女として観てもらえる可能性もあります
女として観てくださる方がいてくれたなら本当に感謝ですが・・・
まだ女という想いは持ち続けたい けれど この女性の年代になったら老女という枠に入れられてしまうでしょう

若いまま命が亡くならない限り老いるのは確かな現実
この主人公の心理は野ばらも「いつか行く道」なのです

その 「いつか行く道」への心構えと突然の希望もあることを教えてくれたようなこの舞台公演でした

何事も無駄はない そこに導かれていくのも意味があること実感したのでした