そうだ、パスタを食べよう。フォークか箸は? 母は箸を用意してくれていた。

手切れ金で買われたパスタか。ぼくとゆうこさんは男女の深い仲になった。ぼくだけでないとしても。それで、亡くなったゆうこさんに線香をあげることもできないのか。

 

ぼくはバイクで転倒した。ここは整形外科か? 体に痛みはない。

ぼくが転んだのは、広小路の中央部分だったと思う。時速50キロ以上を出していたはずだ。一瞬、アクセルをもどしたとしても、30キロまで落ちてもいないだろう。

だけど、ぼくは半そでだった腕に擦り傷が出来ただけで済んでいる。

一瞬だと思ったけど、大分長い間アクセルをもどした状態でなかったのか? バイクで転倒したのはスピードが落ちて、走行が安定出来なくなったからでないか? 病室と見まわすと、ぼくのスマホポシェットが置かれていた。中のスマホは壊れていない。ジェミニを呼んでみる。バイクで時速30キロ以上のスピードで転倒して、擦り傷で済むはずがない。

ぼくは何かに守られていた。

いや、ぼくは居眠り運転をしてしまっただけでないか?

 

母が帰ってきた。

「母さん、スマホの充電器をもってきてくれないかな? でももう、退院するわけにはいかないの? ぼくは擦り傷を作っただけでない」

「それはお医者さんと話すことね」

「あなたは一人でできるわね?」

「ぼくはどこの病院にいるの?」

聞けば、家の近くの田んぼがたくさんある当たりの病院だった。

母はまた、夕方に病院へ来ると言って、仕事に行った。

 

ぼくは病室を出ようにも、点滴をされている。スマホのバッテリーは? ちょっと厳しいな。それにLINEで交わされたB連合のやりとりを見るのもいまは怖い。だが、病室に置かれていた冊子にWi-Fiのパスワードが書かれていたので設定する。

 

ぼくは一人部屋にいたことに気がついた。大変な患者だと思われているということか。

昼になり、運ばれてきた昼食を完食する。それで、点滴はいらないだろうということになったらしい。点滴をはずしてもらった。

 

二人の医者がきて、受け答えをした。ただ、単純な質問をされて終わった。

母は夕方にスマホの充電器をもってきてくれた。母に欲しいものを聞かれた。テレビのプリベイトカードが欲しいと答えた。母はすぐに買ってきてくれた。明日に着替えとかを用意してくると言って、母は帰っていった。

 

翌日、ぼくは書類を渡された。

<措置入院通知書、秋田県知事・・・>などと書かれている。

『一度統合失調症だと診断されたら、治ったことにはしてもらえない』そう、中山さんに教えられていた。暗たんな気持ちになった。