新世代計画の自動車。わたしが乗るには豪華に見える。病院に行くときと同じ自動車だ。
警備上と言うが、わたしがなぜ、警備されないといけないのか? わたしを殺そうとでも、いう人がいるのか? いるのか? だから、わたしは一人で外へ出られないのか?
SST、ソーシャルスキルトレーニング、社会技能訓練。社会、わたしは自分の家と毎月のように連れていかれる病院しか知らない。
「ぼくは##中学3年、###です。ぼくは、友達と喧嘩をして、友達に怪我をさせてしまいました。ここで、人との付き合い方を学び、普通に登校できるようになりたいです」
へっ、喧嘩? そうか学校では喧嘩することもあるんだ。怪我をさせたり、したりもする。
いまは、SSTを受ける人が集まって、まず自己紹介だ。
わたしは心臓がばくばくしている。ママはどこかに行ってしまった。知っている人なんて、いない。そう、わたしは人は自分のママしか知らない。
だから、わたしにはSST、社会技能訓練が必要。
集められているのはわたしの他、訓練を受ける中学生の女子生徒が二人に男子生徒も二人。あと、看護師だという男の人と女の人が一人ずつ。わたしを含めて、計7人が学校の教室に集められている。机などは全部うしろに寄せて、前に椅子を円をかくようにおいて、座っている。
初日だからまず、自己紹介をすることになった。
そのわたしの隣に座っている男の子の自己紹介が終わり、看護師の人が、
「はい、拍手」と言う。看護師さん二人が拍手を始めたので、他の5人も拍手をする。
次はわたしの番。
わたしの自己紹介。わたしに自己紹介するようなことなんかない。わたしは中学生ですらない。なにを言えばいいの?
「・・・」
わたしの番、心臓がばくばくする。わたしに人に紹介することなんかない。
「リカさん、パスしますか?」と男の看護師さんが言った。
「パス」とだけ、わたしは言葉をなんとかひねりだした。わたしは母以外の人と会話をしない。
「はい、リカさんはパスできました」
それで、またみんなが拍手をする。
えっ、それでいいの?!