<計画外出生児を殺せ。悪性遺伝子の絶滅は人類の崇高なる義務だ。>
へっ、わたしを殺すことが人類の義務。
わたしはこのメッセージを読んで怖くなった。日本中、世界中の人がわたしを殺そうとした。なのに、わたしのママはわたしを産んでくれた。
怖くなったが、わたしはわたしが産まれたちょっと前のSNSの状態を調べることにした。
これはママに聞くことでないのか? だが、ママが書いたと思われる日記のようなものも残されている。
わたしが産まれたころ、日本は深刻な問題に直面していたことが分かった。
出産される子供の奇形率が異常に高くなっていた。そのときは機械で人間を産む技術は完成していた。そして、この事態にいくつかの選択肢をコンピューターが人間に提示した。
1.これからの人間は人間の女性が産むのでなく、機械で作る人間だけで構成する。
2.人間の女性が子供を産む権利を保護し、自分の子供の作り方は両性の意思で決めさせる。
3.機械が子供を作ることは暫定的な措置として、時期がきたら人間が子供を産む自然な状態にもどす。
奇形児の出産に対して、造形手術とか整形手術で健康児と変わらない状態にしてあげることは出来た。だが、これはなんらかの汚染物質が汚染のせいなのか? 日本人の遺伝子の異常のためなのか? 徹底的に原因を調べる必要があると判断された。そして、子供は機械に作らせるものという考えが普通になった。だが、それはおかしいという人もいた。だが、国は自然妊娠した女性の堕胎費用を無料化して、奇形の原因を中絶胎児を徹底的に調べて調査することにした。中絶胎児に問題がなかった場合も異常児との違いを調べる。
そして、ママはわたしを中絶する予定が決まっていた。それがその前にわたしのパパにあたる男性が事故死した。それを悲しんだママは中絶手術をキャンセルした。その時の人間の女性全員が中絶手術に同意していたわけではない。だが、ライターとしてある程度有名になっていたママは、中絶手術をキャンセルしたことで、批判にさらされたらしい。