母は風呂敷残業と呼ばれるものをするようになった。風呂敷残業というのは、会社の仕事を自宅のコンピューターですることだ。それで、母は家にいる時間が長くなった。

 

2000年の正月がきたが、コンピューターが故障することはなかった。秀タームには問題はなかった。ただ、末尾の数字が00になったことで、記録されているファイルの順番が逆になった人もいるそうだった。

ポストペットでメールチェックすると、ロンさんのリーチくんがきた。年賀状の返事だった。

 

ぼくは池田さんの家は知っていたが、住所は知らなかった。母の実家の夏樹兄さんの家もだった。でも、メアドは知っていた。メールで年賀状を出すことにした。

 

市役所が休みの間は掃除の人も休み。社会人になって、初めての正月休みだった。

自分のパソコンを買ったぼくは、テレビやDVDとかも欲しいと思うようになった。また、通勤に原付自転車を使うことも考えた。

原付免許は学科試験に受かって、講習を受ければとれる。免許をとる勉強もした。そして、英語の勉強は続けていた。勉強することって、大人になってもあるものだな。

家で毎日2時間で月に8万円稼げる仕事というのをしたかった。だが、池田さんからネットで検索して見つかるデータ入力の仕事はほとんだ詐欺だと教えられていた。どうすればいいのか分からなかった。

 

テレビを観ていて、学校の誰もいない教室が映った。吐き気がした。家のドアに鍵がかけられているか見にいく。なにをしているのだ? ぼくは。ぼくは自分で分からなかった。

正月休みは終わり。市役所での掃除の仕事を再開する。ぼくは、通勤中に見かける小学生を見て、怖いと思うようになっていた。