ロンさんの住む施設は田舎にあった。秋田市の中心部をちょっと離れるとコンビニとかいった商店とかがなくなる。
施設の玄関に入り、面会簿に署名する。夏樹兄さんはロンさんの部屋を知っていた。
ロンさんは車いすに座っていた。
ロンさんのプロフィールには一人事故を起こしたと書いてあった。どういう事故かは面と聞けなかった。
ロンさんはMACのパソコンを使っていた。老人だった。ロンさんがパソコン通信ができるようになったのには苦労があったらしい。
「県庁の人が3回ぐらいきた。電話を使って何がしたいのかって。建物に穴を開けて工事をしないといけないから。ぼくは頼んだんだ。友達が欲しいんだって」
パソコンは友達を作るためにある。そういうものだろうか。イギリスがドイツのエニグマを解読するために研究されたのが研究のきっかけだったとしても。
池田さんは途中、菓子折りの他にたこ焼きも買っていた。施設に食堂に移動して、たこ焼きを電子レンジで温めてもらって、4人で分け合って食べた。
ロンさんが使うフォークは特別に曲げたものだった。
ロンさんが、自分のホームページをパソコンで表示した。PC-VANのIDでインターネットに接続できるということだった。
PC-VANはメッシュと統合してBIGLOBEになった。それは知っていた。インターネットの使用には会員証に書かれたパスワードがいることも。池田さんももう、インターネットをしているそうだった。
ロンさんはポストペットというものを教えてくれた。これはペットがメールを運んでくれるというメーリングソフトだ。ロンさんは亀のキャラクターを設定していてリーチくんと名前をつけていた。
他にロンさんはMACに入れているゲームなどを教えてくれた。
そして、夕食になる時間になる前にロンさんとまた遊びにくると約束して、帰った。
夏樹兄さんと池田さんは車中でポストペットで自分たちもメールをしようと話していた。ぼくのPC-8801MAでは無理だが。
ぼくは働くようになって、自分でパソコンが買えるようになりたいと思った。高校は来年で卒業だ。働けるようになったら、MACかウインドウマシンを買おう。その前にちゃんと就職を決めてしまわないとと、家に帰るまで考えた。