夏樹兄さんはパソコン通信で印刷したメールやメッセージを読みながら、なにかするべきことがないかとか考えた。だが、思いつかなかった。これでいいのでないか。秀和はあと、自分でなんでもできるだろう。

池田が指摘したとおり、秀和は人より過大な対人ストレスをもってしまうのだろう。

ぼくが秀和にあげたパソコンはおばさんもおじさんも気にいった。おじさんは仕事から帰って風呂メシをすますと寝るまでパソコンで麻雀ゲームや将棋をやっているという。

秀和は地域掲示板にも書きこむようになった。秀和はおばさんに小遣いを減らされてもいいからパソコン通信をする時間を増やす許可が欲しいと取引されたらしい。

中学生の自分の小遣いの使いみちを夏樹兄さんは考えた。大きい金額をかけるのは服とかスニーカーとかだろうか? だが、秀和はファッションには無頓着だし、スニーカーに興味をもたなかった。まず、おばさんがいろいろ買ってあげていた。あとは、缶ジュースとか雑誌とかだろうか。秀和には池田が流行っている漫画の単行本、ライトノベルから夏目漱石とかいった文豪の小説の文庫本をあげたらしい。

池田は秀和に本をあげる前に、たまたま池田がチリ紙交換屋をして近くにきたときに家におばさんがいて新聞をだしたことがあって、そのときにそういうことを秀和にしてあげてもいいか聞いたそうだ。それで、秀和が外に出て自転車を買った事情も説明した。そして、自分のふざけたメッセージのために秀和に危険なことをさせたと謝ったという。

おばさんはこう考えた。でも、その池田のメッセージのおかげで秀和は家の外に出られるようになったし、その責任をとって秀和を秋田市にぼくと協力して帰してくれた。

おばさんはそうしたことのお礼がしたいと思ったので池田になにかしてほしいことがないかとか聞いた。池田さんはお客さんを紹介してほしいと答えた。

池田の話では、いくら新聞や本の処分に困っても、チリ紙交換屋を利用しない人はいるそうだ。実際、法外な廃棄費用を請求するリサイクル業者がいるからだろう。おあばさんは保険の仕事をして顔が広かったので、そういった人の紹介ができた。池田さんはおばさんに礼を言った。