ぼくの母は夕方、家に帰ってきてぼくの書置きを読んだ。家中を探して、ぼくが家にいないことを確認した。外に出られるようになっていたと分かった。だけど、2万円もあげたのは多すぎたかと思った。映画代ぐらいの金額でよかったのかもしれない。

これで、学校の夏休みが終わったら学校へ行ってくれるようになったらと思った。

父は仕事から家に帰れば、飲酒してテレビを観ていればいい人だった。ぼくのことにそう関心をもっていなかった。

 

母は夕食後、夏樹兄さんにぼくが家にいないことを電話で話した。それで、3日間ぐらいかけてどこへいったのだろうと相談した。

夏樹兄さんは3日を過ぎたら、警察に捜索願いを出すしかないのでないかとしか答えられなかった。

 

中学生が2万円をもらって、3日間家を空けて行くようなところ、夏樹兄さんにはわからなかった。だが、友達の池田さんなら、わかるような気がした。

翌日の土曜日の朝の8時過ぎ、夏樹兄さんは池田さんの部屋の固定電話へ電話をかけた。池田さんはその日はとても暑くなる天気予報なので、チリ紙交換屋の休むと言った。夏樹兄さんは池田さんに直接あって、ぼくのひきこもりが治ったことで礼を言って、2万円で3日間を過ごすようなところはどこだろうと相談することにした。

夏樹兄さんは池田さんの家には自分のクルマを駐車することはなかったし家が近くだったので、歩いて池田さんの家へ行った。