昭和61年の4月か5月、就職した会社はリサイクルの会社だった。まず、一升瓶をトラックに積んで出荷する。
ぼくは自動車免許はもっているものの、まだ運転は下手だと分かる人にはわかるようだ。
初日は、まずビンを運ぶ仕事だった。
その会社はチリ紙交換屋の仕事だが、その時は古紙価格が暴落して、ビンを扱っていた。ビンの出荷が終わるとビンの選別をするように言われた。
何故か知らないがみんなが、ぼくを知っている。自衛隊にいたことも知っているらしい。
そして、ビンの選別をしている時のことだった。
「モトユキよー、腹割かれた時、生きてあったとよー」と誰かが言った。ぼくと同じぐらいの年の人たちが集まっていて誰かが、そう言った。ぼくはその時、それが誰のことで、どうぼくとどう関係してくるのかよく聞いていれば後の精神障害はなかったかもしれない。