自転車で北へ向かうと、自転車のカゴにパンを積んだ3人ぐらいの人とすれ違う。パン工場を見つける。
そうだ、食糧は必要だ。工場でまとめ売りをしているのか。果たして、そうだった。
まとめ売りだから、安いわけでもないな。でも、買っておこう。水もいるな。ジュースの自動販売機もないか?
ジュースの自動販売機をみつけ、カゴに入るだけ買う。自転車を運転して、なんか解放感がある。気分がいい。
やがて、建物がまばらになり、なくなる。白神山地は世界最大のブナの原生林だ。近づけばわかるはずだ。
暗くなってきて、建物がないところで自転車をとめて、体育座りをする。ちょっと眠る。ちょっと寒いなとおもって目覚める。また北へ向かう。
いつの間にか、山の裾を沿って走っている。
ー秀和、日本中のどんな山、いくら入って行ったって宇宙人の基地なんか見つからない。
お前のひきこもりは自然に治った。早く家に帰れ。
えっ? あれ、誰か何か言った? 多分、ここはもう青森県との境だ。この山の中に宇宙人の基地がある。
ぼくは自転車をとめると、ショルダーバッグから使い捨てカメラを取り出す。
道路の端に自転車を駐車して、パンとか缶ジュースはそのままで、ぼくは山の中に入って行った。
基地は奥の方にあるはずだ。変だな。同じところに来てしまう。なかなか、奥に行けない。方向が分からなくなってきた。
ちょっと、疲れた。ちゃんと眠れていないのだな。少し休もう。木の根元で座りこんで体を木にもたせる。