まだ北海道にいた頃、下士官が妙な話をしていた。

「たくさん、人が死んでいるんだと」

 

ぼくの中隊事務室に秋田から電話がかかってきて、先任陸曹が4時間近くも電話をしていて、ぼくは休暇をもらえることになった。いまから考えると先任陸曹は見てこいと言ったのであって、探してこいと言ったわけではない。さっさと戻って、退職してからゆっくり職探しをしてもよかった。

大曲出身の下士官、陸曹もいてぼくがちゃんと仕事を探しているか見にくると言っていたきた人がいた。だが、

「怖い!」と言った。

人がたくさん死んでいるって、秋田市のことなのか? いまから考えるとぼくは、休暇から早く帰ると思われたのかもしれない。