自衛隊の教官が駐屯地を勝手に出入りしている人がいるというような話をしていた。ぼくは関係ないと思った。だが、どうもそれはぼくが疑われたようだった。
ある日曜日、駐屯地を抜け出そうとしている人がいたと近くの住民から電話があったらしい。ぼくが疑われた。ぼくはそんなことはしていない。だが、同期生は執拗に聞いてくる。だが、していないものはしていない。
4月下旬、区隊長と班長がぼくを指さして、
「中山の警察の件は大丈夫だな」とか言っていた。いまから推理したことだが、ぼくが秋田でなにかしたと疑われたとしても、よく調べて地図で東北の地図を見て宮城県の多賀城市と秋田県の秋田市がどこにあるか調べれば秋田の警察はおかしいとわかる話だったのだと思う。
前期教育のしめの検閲。検閲官がぼくに注目する。なにかの嫌疑をかけられていた。これはなんのことかさっぱりわからなかった。
前期教育は終わり、ぼくは北海道の日高地方に移る。