阿部が階段から、人を落とそうとしている。阿部はとても楽しそうだ。

相手は泣きだした。

「けーけっけ⋯」

阿部は歓喜の笑い声をあげた。泣き出されたのがとても嬉しそうだ。

ぼくは前に窓から落とそうとされていた。次はぼくは泣かなければ、本当に頭から落とされるのか?


朝、両親が仕事に出かけてから起きる。台所のテーブルに食事が用意されている。食後、食器を洗う。テレビや新聞を見る。

ぼくは幼稚園に上がる前から、平仮名を書けた。平仮名の50音を書いたノートを隣の女児が激怒する。お前は勉強するな! と。テレビを観ていても、内容が分かるのかと、すごい剣幕で怒られた。ぼくに必要だったのは、おかしい人を無視する能力だった。