それは、いつもと変わらない朝だった。5月で気持ちのいい快晴で、学生カバンには授業で使う教科書とノートを用意して制服もきちんと着ていた。

坂を登る道の前で回れ右をしてしまう。家に戻ってしまう。家に着く。2階の自分の部屋に行く。

 

落ちる、落ちる、落ちる。今日の朝、夢を見た。

今度、落とされようとしたら落ちてしまおうか?

いや、怖い。


保険の外交員の母は、ぼくが戻って来たのに気にしないようだ。やがて、会社へ行った。


昼食は食べない。夕食はとる。風呂には入らない。寝る前に、明日授業で使う教科書をカバンに詰める。


よしこおばさんが遊びに来てくれた。

バナナを買ってきてくれるのでなかったの? よしこおばさん。

いや、よしこおばさんはぼくが小学2年生の時の冬に死んでいる。ぼくは中学2年生だ。

夢だ。

いまは、真夜中だ。