ぼくも菊池さんも、皿によそられた肉をもくもくと食べる。いいかげん満腹になり、隊員が片付ける。
当たり前のように食事を終わった。銃声は猟のためだったと理解した。
「水沢、盗聴しているなら聞いているだろうが、この基地を江崎くんの友達くんが作ったって、本当なんだろうか」
「コンピューターは0の状態から何か発想することは出来ない。20世紀から人間がコンピューターに吐き出していた負の感情の悪意が具現化されて、この基地が出来てしまったのだろ」
「まず、ひとまず安心か」
「いいや、菊池。官舎のコンピューターに言われたことだが、基地のミサイルが発射される邪魔をするとミサイルのAIが弾頭を爆発させる場合があるそうだ。管制コンピューターを壊しても無事だったが。
それで21世紀に作られたマルウェアのコピーに、自分たちに奴隷労働をさせる地球人類を絶滅させて、地球を浄化するという変異種がでてきたらしい。
それでこの基地の水素爆弾を弾頭にしたミサイルは1000発あまり。これだけあると、世界の人口を100万分の1以下にするためには発射する必要もないんだ。この場で一斉に自爆してもいい。そうなったら日本列島は壊滅して数億万トンの煤が地球を覆い深刻な気象変動をもたらす。オゾン層が破壊され、地球が放射能汚染される」
「なら、なぜこれまで自爆していないんだ?」
「ミサイルのAIがいやだからだろ。解体しようとされたら、爆発するかもしれないが」
しばらく静まりかえり、何人かの隊員がバーベキューの後始末をする。
「水沢、空挺はきたのか?」
「まだだ。航空機のAIが飛ばさないのかもしれない。他のところに行ったのかもしれないが。
いや、お前が空挺と言ったら空挺が降下しているでないか」
「白旗を振っては、どうですか」とぼくは軽口をたたいてしまった。
「そうか。物干し竿にシーツをつけて白旗にしよう」