ぼくは、特務部隊に送られてきたリムジンのような車の中にいた。来た時のように車外が見えない。家まで送ってもらえる。車のAIはジニーと名乗った。
落ち着いて、動画を観たり音楽を聴く気になれなかった。休暇がもらえて、手当てがもらえるというのはどういうことだろう?
水沢隊長から、スマホとスマートウォッチを故意に捨てるようなことをしたら、脱柵とみなされると言われた。脱柵をした場合、戸籍の名前に赤線が引かれるという。死亡したという扱いになるらしい。
そうだ、スマホをもっているんだ。家に電話をかけよう。固定電話のほうにかけてみよう。
母が電話に出た。家に帰ると聞いて、退職したのかと思われたらしい。その誤解を解くと、正月休みの代わりなのかと聞かれた。分からないと答えた。
もう、冬なのだなと、認識した。基地から滅多に外に出ないから、季節が分からなくなっていた。
母の声を聞いたら、安心した。映画でもみよう。