表現はいろいろ | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

こんにちはビックリマーク群馬のおこちゃんです。

先日、一日で3つのイベント、それぞれの表現を堪能してきました。

 

一つは国立新美術館で行われている躍動する現代作家展、絵本仲間のわかなまさこさんの絵が展示されているので観に行きました。

 

                         左 sing a sonng in the garden

                         右 Prayer

 

動物たちのとても楽しそうで、絵の前に立っているとあたたかさが伝わってくるようでした。作者のまこちゃんのあたたかさが込められているからでしょうねラブラブ

 

 

たくさんの自由な作品に元気をもらって紅葉した街路樹を眺めながら

歩いて二つ目の目的地、港区麻布区民ホールへ。日頃の運動不足をここで解消、気持ちがいいウォーキングでした。

ここでは、NPO日本朗読文化協会主催の第16回朗読アラカルト、朗読仲間・絵本仲間の大好きなたかたかさんの朗読を聴きました。A~Dの4つのステージに分かれて、色々なジャンルの作品の朗読が聴けました。たかたかさんが読んだのは、原子 修作の『ピアノの休戦』かねてからいつかと温めてらしたというだけに、作品がご自身のものになっていてたかたかさんの言葉で語られた素晴らしい朗読でした。次の予定もあり、たかたかさんのBステージしか聴けませんでしたが、プロの舞台演出は照明や音楽が作品にマッチしていて、五人五様の朗読を楽しませてもらいました。

 

次のステージも気になりながら、3つ目の目的地、渋谷区文化総合センターのさくらホールへ、こちらではシャンソンのコンサート。半年前から始めた新しい朗読レッスンで一緒のとわのさんからご招待頂き、華やかなステージに圧倒されながら、色々なジャンルのシャンソンを楽しみました。とわのさんが歌ったのは、シャルル・アズナヴールの「オルガ」途中に語りも入って、とわのさんの雰囲気にぴったりでした。

 

朝から一日、3つのイベント、それぞれ違うように見えますが、表現するという点では同じです。そもそも「表現」とは、心理的、感情的、精神的などの内面的なものを、外面的、感性的形象として客観化すること。また、その客観的形象としての、表情、身振り、言語、記号、造形物など。(小学館 『デジタル大辞泉』)絵・朗読・歌と表現する仕方は違うが、心の中にあるものを現していることは同じです。そして、それに触れた私は、そこからさらに想像の世界を広げて、聴こえてくる声に耳を傾けていました。表現の素晴らしさを実感した一日でした。

 

心の中にあるものを体ぜんぶを使って生き生きと表現する絵本

『こんにちは!わたしのえ』

 

作:はた こうしろう

ほるぷ出版 2020年

 

真っ白な紙に筆をおろす。思いきって、ぐっちょんと。色が生まれる。筆をふりまわして、手や足にも絵の具をぬって、体ぜんぶで描くことの喜びに溢れてくる。

 

女の子がダイナミックに描く姿、表情がすごくよくて、読んでいくうちに大きな気持ちになっていきます。表現するということは、決まりも答えもない、自由でいいのです。

 

子どもの想像力は無限に広がっていきます。それを周りの大人たちはどう受け止めていけるのでしょうか?『IMAGINATION/WHALE』という、

2002年に放送されたACジャパンのCMからできた絵本。

 

『まっくろ』

 

作・高橋卓馬 絵・黒井 健 

講談社 2021年

 

作者の高崎卓馬さんが20代の時に企画したCMを見た黒井 健さんの息子さんから「お父さんが絵本にしてみたら」というメールをもらったことで、黒井 健さんから絵本にしたいと申し出て、絵本作りが始まったそうです。

 

学校の授業で先生が言います。「みんなのこころに うかんだことを

かいてみましょう」一人の男の子が画用紙を真っ黒に塗りはじめます。

先生に「ちゃんとした絵を描きなさい」と、言われても真っ黒に塗り続け、学校が終わって家に帰っても、ずっと塗り続けて、周りの大人たちや友だちが心配してもその手を止めません。そして、どんどん真っ黒に塗って、ある日男の子が画用紙を並べ始めて現れたのは・・・。

 

「子どもから、想像力を奪わないでください」というCMから作り上げるまでに20年かかったそうです。男の子の心に浮かんだもの、それを表現するためにひたすら画用紙を塗りつぶいていく姿、男の子を心配そうに見守る大人たちやこどもたちの表情、それぞれの心の中にあるものと向き合うことで、この絵本が表現していることを知ることができるように思いました。