ことば、伝える、分かち合う。 | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

こんにちは!

東京のじゅんじゅんです~キョロキョロラブラブ

 

新学期が始まり、慌ただしい日常が戻ってきました。

わが家の中1男子は、部活、合宿、日帰り旅行、TDLなど、友人と過ごす夏休みを大いに満喫晴れ

小学生の時は、お出かけのほとんどを親と行動を共にしていたので、この5ヶ月で彼の行動範囲が大きく広がったことを改めて実感します。

 

でも、心配事も尽きなくてDASH!

それは、小学校卒業と同時に持つようになったスマホ!

素性が定かではない不特定多数のサイトの閲覧、オープンチャットなど、友達を経由して情報が流れ込みます。さすがデジタルネイティブ!もはや親よりも詳しい。。。家庭内ルールを設けても、楽しい気持ちに引っ張られて破ることがしばしば。危険であることを知ることや、危険かどうか見極めて回避することを教えるのはとても難しいです。

 

もう一つ、私が気になっているのはLINEでのやり取り。

語数が圧倒的に少ないのです。

 

なに?

まだ?

どこ?

 

など、とても素っ気ないゲッソリ

 

文章は受け取る側によっていかようにも変わる。

あなたの気持ちがそのまま相手に届くとは限らない。

直接話すとき以上に、伝えたい意図や自分の気持ちが伝わるように、丁寧に言葉を選ぶようにしようね。

こんな風に説明しました。

 

そこで、思い出した絵本がありました。

 

    

『きもち』

谷川俊太郎 ぶん

長新太 え

福音館書店 2008年2月

 

 

友達におもちゃを取られる気持ち、注射するときの泣きたい気持ち、お父さんとお母さんがケンカしているときの気持ち…色んな気持ちが生まれては消え、消えては生まれる。自分の気持ちと人の気持ちは違う。どんな気持ちか、絵を見て想像してみよう。

 

でも、待てよ・・・

息子と話していて違う疑問が湧いてきました。

 

気持ちを伝えるのは言葉だけ?

いやいや、態度(行動)や表情で表すこともある。口では承諾したようなことを言っていても、その様子から不満たっぷりなことが、思春期の親子のやり取りによくある(苦笑)

 

では、気持ちを伝える目的は?

(思いがけず深い話に展開。その後、2人でいろいろ話をする)

お互いを知るため、気持ちを分かち合うため

という結論に至りました。

 

この会話から程なくして、偶然に出会った絵本がこちらです。

    

『ことばとふたり』

ジョン・エガード ぶん

きたむらさとし え

岩波書店 2022年9月

 

「ことばを知らない生き物」は、感じた気持ちを表すためにことばを使うことはできないのだけれど、それを全身で表現する。例えば、「楽しい」は腕を伸ばして鳥のようにぱたぱたするのだ。「悲しい」という気持ちを知らなかったが、お腹の底から声を出し、目には涙が光っている。それを見ていた「ことばを知っている生き物」は、彼に近づいていき、たった一言つぶやき、そして2人はあることをする・・・言葉を得ることだけでなく、言葉から解放されることも伝えてくれる奥深い絵本。

 

こちらはきたむらさとしさんの訳が心に染み込み、絵が真に迫ってきます。私は、作者ジョン・エガードさんの作品を初めて手に取りました。旧英領ギアナ生まれ、現在イギリス在住の詩人で、世界各国で詩の朗読パフォーマンスを行なっているそうです。(絵本の作家紹介より)詩は訳で印象が大きく変わることもあるので、英語で聞いてみたくなりました。そこで、調べたところ、この絵本の出版元であるイギリスのScallywag Press Lid.にジョン・エガード本人が読み聞かせしているYoutubeのリンクが掲載されていました。リズミカルで味わい深く、とても心地良い語りだと私は思いました。冒頭で、画家・訳者のきたむらさとしさんについても話しています。ご興味ある方はご覧になってください。

 

 

わが子との思いがけない哲学的な話が繋がって、新しい絵本に出会いがありました。

だから、絵本は最高(最幸)〜ラブ

 

では、また来月〜パー虹