小学校へのきっぷ
3月19日 園長として初めての卒園式を迎えました。
園では、昨年同様に感染症対策として、年長さん2クラスを分散して行い、出席者の人数も各家庭2名まで。
この日のために全員が揃っての取り組みはほとんどできず、毎日誰かがお休みしてたのです。というのも、まん延防止重点措置が延長されたので、家庭保育のご協力をしていただいたご家庭があったから。
卒園証書授与では私も何度か練習に立ち合いましたが、受け取り方、受け取った後の振り向く方向など、何度も間違えるてしまう場面が多く、果たして… そしてその後の子どもたちの歌と呼びかけ、最後に歌があります。歌はとっても上手なのですが、呼びかけではなかなか揃わず、苦戦しています。途中で声が小さくなり、最後の「頑張ります!」だけが大きな声で元気いっぱいに言えます。(^^ゞ
そして当日・・・
服装も髪型もびしっと決めてきた男の子たち
おしゃれな髪形やちょっとお姉さんになった女の子たち
家族に見守られながら、緊張ぎみに入場してきます。
【卒園証書授与】
子どもたちの中には、人前で何かをするのが苦手な子がいます。集団で一緒にすることが苦手な子がいます。じっとしているのが苦手な子もいます。
練習ではちゃんとできていたのに、入場直前に会場の雰囲気に吞まれたのか入ることを拒んでしまった子もいます。
それでも式は淡々と進みます。
誰も騒ぐ人はいません。いつもはじっとしていられない子もこの日はしっかり自分の席に座っています。
私の前でお辞儀をするのですが、忘れてしまう子もいますが、目と目が合うまで待ちます。わずか数秒ですが、気が付いて私の目を見てくれたらお互いお辞儀をします。
実はそのあとが難しいのです。開いた状態の卒園証書を渡された後、一度閉じてから左わきに収めるのですが、園児には少し大きいようですんなり収まらない子もいます。緊張のあまり手ががちがちになって落としそうになる子も。お辞儀をした後は時計回りで振り向くのですが、一瞬どっちから向くのか戸惑うのです。そんな時園児は私の顔を見返してきます。そして私は左ひじをすこし動かして合図すると気が付いてくれます。
振り向いた瞬間が保護者が写真撮るタイミングなので、心の中で1、2と数えてから階段を下りて席に戻ります。
本番では実に素晴らしく、凛とした姿を見ていただくことができました。さすが本番に強い子どもたちです。みんなみんな頑張りました!
ちなみにうちの園では、卒園証書のことを「小学校へのきっぷ」といいます。だから「きっぷを大事にしないと小学校へ行けなくなるからね」と伝えています。もちろん学校へは持っていけないですけど(笑)
【園長先生のお話】
私は、ドキドキしながら、少し震える手で紙を見ながらお話しするのですが、泣いている保護者の姿を見ないように気を付けていたので順調に進んでいたのですが、最後の方で子どもたちの顔をみながらエールを贈る言葉を言おうとした瞬間、グッと来てしまい、言葉に詰まり、危うく涙しそうになりました(・_・;)
【歌】
式では、子どもたちが園歌を含めて3曲歌います。日ごろから歌の上手な子どもたちなので心配はないのですが、曲と曲の間に呼びかけがあります。本番では、タイミングもばっちり決めて、「お父さん、お母さん、先生方・・・」練習ではグダグダだったのですが、さすがです。
今回歌った曲をご紹介します。
1曲目は『ありがとう心を込めて』 作詞・作曲:山崎浩(2018年)
*すく♪いく音楽ライブラリー Youtubeより
お母さんたちは、涙をぬぐいながらスマホで撮影しています。そんな姿を見ているこちらもやはりグッと来てしまいますね。
そして、最後の1曲は『ね』 作詞作曲:高橋はゆみ(1990年)
*からふるぽっけ、童謡手遊び 公式youtubeより
この曲は、テンポがよく体が勝手に動いてきます。
卒園式はここで終わりなのですが、クライマックスはその後にやってきます。いつもは、最後のクラス懇談会や保護者主催のお別れ会があるのですが、感染対策&まん延防止重点措置の関係でやむなく中止となったので、保護者から担任の先生へのメッセージカードと花束、そして保護者のアルバム委員さんが作成した卒園アルバムのプレゼント。
渡すお母さんも、もらう先生も号泣です。
年中クラスの時から2年間のお付き合いでしっかり信頼関係を作り上げてきたからなのでしょう。こちらももらい泣きです(´;ω;`)ウゥゥ
名残は尽きないところですが、何せ入れ替え制のため時間どおりに降園をお願いして、園舎前の記念撮影もささっと終わらせておかえりいただきました。(ごめんなさい)
式が終わり、会場を片付けて職員室に戻るとなんだか力が抜けて、無事に終わった安堵感でいっぱいでした。
今回ご紹介する絵本は、以前、にじのひろばで読んだ
『おおきくなるっていうことは』
作/中川たかひろ 絵/村上康成 出版社/童心社(1999年1月)
2冊目は、『みんなともだち』
作/中川たかひろ 絵/村上康成 出版社/童心社(1998年1月)
この2冊は、同じ作者のもので進級・卒園にはぴったりの内容です。
3冊目は『6さいのきみへ』
作/佐々木正美 絵/佐竹美保 出版社/小学館(2011年3月)
この本は、文章は、『子どもへのまなざし』著者の精神科医の佐々木正美先生。絵は、『魔女の宅急便』などのイラストで人気の佐竹美保さんが描いています。子どもが6歳になったということは、親としても6年間頑張ってきたこと、そして家族の宝物というメッセージが描かれています。
4冊目は『みんながおしえてくれました』
作/五味太郎 出版社/絵本館(1983年10月)
私が好きな絵本作家の五味太郎さんの作品で、子どもの成長にとって虫や鳥や花や動物から学ぶことがたくさんあることが楽しく描かれています。
3月は別れの月、4月は出会いの月とも言われていますが、皆さんにとってどんな別れがあって、どんな出会いがまっているのでしょうか。
しんみりも、わくわくも素敵な季節だなあと・・・ ではまた
いーさんでした。