「自分を救ってくれた」オンライン絵本会    /  Guest Writer:はっちゃん | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

       

私は2019年12月から持病の双極性障害(そう鬱病)がひどくなり会社を休職してちょうど3カ月を過ぎた時にオンライン絵本会が開始した。

私自身は元々、絵本に興味があった訳ではないが、13年前に結婚した家内が保育士で沢山の絵本を持っている事もあり、たまに彼女の部屋から借りて読むと「面白い」と思うようになっていた。

オンライン絵本会代表の竹内美紀さんとはEMS(エッセンシャルマネジメントスクール)というスクールで知り合った。昨年3月の新型コロナウィルス拡大感染に伴う政府の緊急事態宣言を受けてすぐにオンライン絵本会が立ち上がって「凄いな」と思ったのが第一印象だった。
その頃の私は本来通う筈だった精神疾患者の社会復帰施設通所も非常事態宣言を受けて休所になった影響で1日中自宅で何となく過ごす毎日だった。
ちょうど開催時間が昼食時間帯という事もあり、生活リズムをつける(心療内科の主治医からは規則正しい生活を心掛けるように指導されていた)一貫として毎日参加することにした。

 毎日、お昼に自宅のPCに向かってアクセスすると毎日いろいろな読み手の方が様々な絵本を読んでくれる。そして画面越しではあるが何だか温泉のように温かい雰囲気を感じる。そんな毎日が続くうちにお昼が楽しみになった。

 そんなある日、体調不良でEMS代表の西條剛夫先生の朗読を聴くことができずに「残念」というメッセージをつぶやいた事をきっかけに、竹内さんから「はっちゃん、できる範囲でいいので運営もやってみない。面白いよ。」とお声がけいただいた。

 その後、運営部で開催された研修に参加した際に「誰か次の会の読み手やりませんか」という問いかけがあり、思い切ってやる事にした。読む日のMCの五十嵐いおりさんからのアドバイスもあり、トルストイの『おおきなかぶ』を読む事になった。朗読をする経験は初めてだったので、とにかくスムーズにやらねばと思い、鏡を前に2、3時間練習をして前日を過ごした。


      

『おおきなかぶ』ロシアの昔話

A・トルストイ 再話 / 内田 莉莎子 訳 / 佐藤 忠良 画
福音館書店  初版年月日    : 1966年06月20日



 そして当日、朝から具合が悪く、起き上がれない。どうにもならない。でも、無断キャンセルはできないのとピンチの時にも何とかしてしまうのがオンライン絵本会運営の主力を担うEMS仲間だというのを知っていたので、いおりさんに連絡した。いおりさんからは「何とかなるのでゆっくり休んで下さいね。」という優しい言葉をいただいた。

 だが、その時、正直「みんなに迷惑をかけた」という気持ちが自分の中に芽生えて来て、何となく参加しずらくなり、運営の手伝いに手を上げられなくなったばかりでなく、参加者としての頻度も減っていった。


 そうしているうちにオンライン読書会運営の当初予定期間が近づいて来て、最終回(だったかその1回前)の絵本会に参加した。普通の参加者として参加していたら最後に4人の方が私が朗読する筈だった『おおきなかぶ』を輪読!この瞬間、自分の中につかえていた魚の骨のようなつっかえが取れた。


 そして、後日の運営部の反省会に参加した時に運営に至る様々なご苦労を聞き、改めて素晴らしい場にご一緒いただけた事に感謝した。


 その後は自分も社会復帰に向けてのリハビリ、そして昨年11月に正式復職等慌ただしく毎日を過ごしている事もあり、オンライン絵本会に全く参加していないが、たまには「心のリフレッシュ」をしに戻ろうかなと思う今日この頃である。