絵本にまつわる思い出 / Guest Writer:じょじょりん | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

EMS本質日本語探求クラブの城保江(じょじょりん)です。


       

オンライン絵本会一周年おめでとうございます!!!

早いものですね〜、あれから一年経ったのですね〜。
なれない手つきでドキドキしながら絵本を読んだことが昨日のことのように思い出されます。参加してくれる子どもたちに会えるのがとても楽しみでした。

始まったばかりの時に、ちょっとだけ参加させていただいた私に声をかけてくださったことに感謝しながら、今日は私の絵本にまつわる思い出を2つお話したいと思います。


1つ目の思い出


私には母に絵本を読んでもらった記憶があまりありません。
多分読んでくれていたのだと思いますが、母に読んでもらったことより、今も強く心に残っているのが、当時私の家に来ていたお手伝いさんのみっちゃんのお話です。

みっちゃんは子どもの扱いがとっても上手で、やんちゃで、じっとしていない私を膝の上にのせて、いつも本を読んでくれていました。
その時のみっちゃんの優しい声、守られているような安心感が今も思い出されます。

私が母親になり、あの時みっちゃんに読んでもらった絵本を自分の子供に読んであげたくて探したのですが、絵本の題名はすっかり忘れていて、残念ながらみつかりませんでした。
覚えているそのお話の内容もひょっとしたら違っているのかもしれません。


そのお話は・・・、


可愛そうな少女が継母?に捨てられるのですが、帰る道がわかるように、持っていた豆を道に落としながら歩いて、置き去りにされた場所から戻るのです。
捨てたはずの少女が帰って来ちゃったので、継母はまた捨てようとするのですが、賢い女の子はまた道すがら折った枝を置いて無事に家に帰り着くというようなお話です。


どなたか、こんな内容の絵本のことをご存知じゃありませんか?
もし、この本の題名がわかったら、嬉しいのですが・・・。
私にとっては、幻の絵本なのです。


2つ目の思い出


これは、私のちょっぴり悲しい思い出です。
絵本の素晴らしさを感じていた私は、長男が生まれてまだ1歳にもならないうちに、その当時福音書店だったと思うのですが、絵本の定期購読をして読んであげていました。
そして、長男が6歳、次男が3歳になった時、夫の仕事でアメリカに渡ることになり、まだインターネットなんてない時代ですから、ダンボール一杯に子どもの絵本をアメリカへ送ったのです。


ところが、私もアメリカの大学でポジションを得ることが出来て、仕事を始めることになりました。英語の世界で仕事をするのはとても大変なことでしたので、毎日、毎日、講義の準備でいっぱいいっぱいになり、子供に絵本を読んであげる余裕なんてまったくなくなってしまったのです。
せっかく日本から送った絵本も本棚で眠ったままになりました。


そのうち子供たちは日本語を話さなくなりました。
次男なんて、日本の絵本のことはほとんど覚えていないと思います。
子ども時代に言葉を覚えるのも絵本から・・。
日本に帰ってすぐ、次男から

“Mommy, What is SORA?”(「そら」って何?)

と聞かれた時は、日本語の絵本をもっと読んであげればよかったと、とても後悔しました。

子供たちにいっぱい絵本を読んであげたくて、日本からたくさん送ったのに、
自分の仕事を優先させてしまった・・・。
子供たちにとって一番大切な時期に絵本を読んであげられなかった・・・。
いまでも、それを思うと心が痛みます。

そんなアメリカの生活でしたが、唯一「これでよかった」と思える出来事がありました。
それは、長男が

“Mom, I can make a story for you”

と言って、その当時アメリカで人気があった絵本を持ってきて、可愛い声で、英語でお話を聞かせてくれたのです。
それがこの絵本でした。

     

      The Snowman  Raymond Briggs(著) 

      Dragonfly Books; Reprint版  1986年
 

これも私にとって大切な絵本になりました。


オンライン絵本会、なんて素敵なのでしょう。
30年前にオンライン絵本会があればよかったな〜と思います。
コロナのお蔭でこんな素敵な会ができて、可能性が広がって、なんて有り難いことなのでしょう。
皆さまの子供たちへの愛に溢れたオンライン絵本会がこれからもますます世界中の子供たちの心を豊かにし続ける素敵な会になりますように・・・。
心から応援しています。

無限なる感謝と愛を込めて








※EMS=エッセンシャル・マネジメント・スクールの略