髄膜腫が見つかってから① | ありがとう脳腫瘍、さようなら脳腫瘍

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2014年1月に左小脳橋角部腫瘍が見つかりました。
そのおできと、さようならするまでの、記録。


今年の1月に偶然、小脳橋角部に髄膜腫が見つかりました。

1センチと小さく、まだ症状も出ていない状態でした。


初めに診てくれた先生に

「何年か経過を見ないと、大きくなるか分からない、

症状も出ていないのに、手術をする必要ない」

と言われ、私もそう思いました。


そして

「何でMRIなんか撮ってしまったんだろう。

見ない方がよかった。知らなければよかった。

大きくならず、寿命を全うするかもしれないのに。

小さくなって消えてくれたかもしれないのに。」

と、病気に向き合うことが出来ずにいました。


さらに、ネットで調べれば調べるほど、

腫瘍のできている場所がよくないことや

大きくなって神経を絡んだり、脳を圧迫してくると

色々な症状が出てくることが改めて分かり、

何故自分にこんなものができたのか、

悔しくて涙が出ました。


でも、泣いたってどうしたって、

そこにある、という事実が変わらないのであれば

私はそれを受け入れなければなりません。


そう思うとやっぱり、

今、小さく見つかったことはとてもラッキーなことで、

最悪の事態にならないように

色々な手立てを考えられる、チャンスを与えられた、

と思いました。


そしてそのチャンスを、何もせず、

経過観察だけで無駄にしてはいけないと思いました。

もちろん、経過観察もありだと思いましたが、

それは、色々な選択肢の一つにしないといけないと思いました。


そうやって、少しずつ

病気と向きあい、病気を受け入れていく中で

気づいたことがあります。


それは、過去を悔む時間がなくなった、ということです。


それまでの私は、前向きに、ポジティブに、と言いながら

「どうして、あの時、あんなことを…」

と、変えられない過去を悔む瞬間が多くありました。

そして、どこかでいつも過去にとらわれている自分を

疎ましく思っていました。


だけど病気になってからは、過去を悔んでいる暇なんてありません。


未来を生きるために、

今、自分が何をしなければならないのか。

今、自分ができる精一杯のことをしなければ。


何だか皮肉に思いますが

それまでの私よりも、ずっとずっと

前を向いて生きている毎日でした。