発表会にはドラマがある。 | 音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!-

発表会にはドラマがある。

 ちょっと想像してみてください!

 自分が、大人になってから、ヴァイオリンを始める。3歳の頃からずっと習っていないと、弾けないという噂の、アレです。一生懸命なのだけれど、仕事の都合に振り回されて、まるで思うように練習もできない。そんな時に、発表会がある。上手になりたいし、先生もうまく言うので(そんなことはないのですが)、出ることになっちゃった。実は、どれくらい弾けないか、大人だから大体分かる。それでも、人前に立って、演奏する。生まれて初めて、演奏する。

 

 

 発表会。

 今年は出演できた方が多く、賑やかになりました。賑やか過ぎて、立ち見になってしまった方もいらして、非常に申し訳ないことになってしまいました……。すみません。

 

 今回は、楽器を始めて丁度10ヶ月の生徒が二人、出演しました。いずれも20代で、仕事をしながら取り組んできました。

 きっちりレッスンできたわけではありません。仕事が忙しくなれば、急に回数が減り、月に一回になってしまったり。しかしそれ以前に、そういう時には、そもそも個人練習ができなかったはずです。急に忙しくなるような仕事の場合、突如下手になってしまうことさえあるのです。本当にどうやってやっていたのでしょう?さあそこで、冒頭の状況を想像してください。……これは痺れます……。

 そんな中で、(弾かない人には分かりにくい内容で、すみません)一人はきっちりスピッカートで(弓を跳ねさせながら弾きます)、もう一人はレガートとマルテレ(弓に圧力をかけて弾き始めたらすぐに抜いてさっと弓を走らせ、音を抜きます)で、弾いちゃいました。始めて10ヶ月なのに、弓の跳び具合やら音の抜き加減まで要求されるのですが、やってのけました!尊敬です……。

 子どもたちは子どもたちで、もちろん大変です。テストも受験もある中で、やってくるものなのです。

 また、大人になって再開した人たちは、子供の頃にまったく想像もつかない、極度の緊張状態、いわゆるアガってしまうことを体験する人も多くいます。

 

 それにしても、本当に緊張するものです。終了してみたら、奥歯が痛いという。

 物凄い力で噛み締めていたらしいのです。そう、生徒のみなさんももちろんですが、自分自身が極度の緊張状態でした……。

 関係者の皆様、お疲れ様でした。本当に素晴らしかった!