雑司が谷の春の一日の… | 音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!-

雑司が谷の春の一日の…

 3月9日、雑司が谷エル・チョクロご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
 寒い日が続く中、幸運にもちょっと春めいた日の夕方にふさわしく、ロマンティックな曲(割と?)を中心に。
3LS
 共演者は、ピアノ三枝伸太郎、ギター大柴拓という、何しろ凄腕の二人。

 テレビ局にいたときからの習性で、毎度ライブの構成表というものを必ず作っています。全体の長さや、何分くらいが山場になるのか、話の流れや辻褄などを、事前に計算するためです。情報番組の中継コーナーなんかも、こういう類のものを書いて作ったものです。
0309構成
 実際にテレビで使ったものはお見せ出来ませんが、もちろんこんな雑ではありません。レポーターや、カメラマンなどの技術スタッフ、プロデューサーなどなどが分かるように書かないと意味がありません。時間や撮る画なども細かく書いていくのです。別紙で、現場見取り図や動線も書いておく。そしてそれを基に打ち合わせをし、ドライリハーサル(カメラなどの機材を使わずにやるリハ)、カメラリハーサル(本番さながら)、本番。
 今回、構成上は、2ステージともプログラム上45分で終わる予定でした。ところが、1stステージ終わってみると、52分もやっている。あれーッ?!
 でも、しゃべりながら思っていました。あれ?しゃべり過ぎてる?……しかし、予想される以上に口下手である自分は、短くする(=まとめる)ことに失敗。リベルタンゴで大柴くん、三枝くんのインプロが充実して、予定より2分近く長くなった、という理由もありましたが、それでも5分も!2ndは予定より少し切り詰めて、それでも3分オーバー。

 ありがたいことに、話もよかったとは言っていただきました。しかし、テレビの経験によれば、もう一段絞ると、お客さんはより集中でき、楽しめるはず。しゃべりの練習をしている余力はないので、今出来るのは……自分にカスタマイズした構成表を作ることでしょうか。

3S本番後
 さて演奏の方は、評判上々のようで、ホッとしています。ピアソラ、サルガン、バラード、オリジナル、挙句の果てにクラシック。何のライブ?と思うくらい色んなことをやりました。しかし、統一感はあるよう考えたつもりです。

 大好きなサルガンさんのアレンジ(を基にしたもの)。とにかく大変で、どうしたらできるのか、頭の痛かった時もあります。本番は思ったとおり、……とまではならなかったけれど、その魅力が伝わる演奏には出来た!ようです。名指しであの曲がよかった、と言ってくれたお客さんたちがいらっしゃいました~

 個人的には、5曲もやったバラードが大きな挑戦でした。ジャズでよくやる方法で。バルディのヌンカ・トゥボ・ノビオ(恋人もなく)、ピアソラのタンティ・アンニ・プリマ、ポンセのエストレリータ、スタンポーニのウルティモ・カフェ(最後のコーヒー)、そして三枝くんのレインソング。
 しかし、ちょっと多くなり過ぎた…。それでも成り立ち、かつ楽しめるように、犠牲にしたこともありましたが(例えば、ピアニスト、ギタリストがやたら出たり入ったりしなくちゃいけなかった)、うまくいったようです。ふー。

 自分の目指す音楽に、一歩ですが、確かに近付けた気がしています。だからこそなのか、――どうしても自分を許せないことも出て来てしまいました。前よりむしろ遠くに感じるというか……
 しかしそこは、三枝くん、大柴くんの的確なサポートをもらって、多くの方に喜んでもらえる本番になったのが、とにかく嬉しい限りです。何よりそれが、一番大切だと思っています。さらに、彼らの
圧倒的だったり美しかったりするソロは本当に素晴らしく、嬉しくてステージ上で笑ってしまうことも数知れず、でした。

 会場だった、エル・チョクロ。いつもお世話になっているのですが、初めてのお客さんから、料理、内装も、これまた非常に評判がよくて、うれしいのです。そうでしょうそうでしょう!

 今後も精進します。というより、一刻も早く精進したくてしょうがない!
3S打ち上げ