映画『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』
試写会で、
「アルゼンチンタンゴ、伝説のマエストロたち」
観てきました!
タンゴの黄金時代を生き抜いてきた、文字通り伝説のマエストロたちの、凄まじいまでの音楽、その生き様を垣間見ることができます。
ドラマの演出家を目指していた頃の僕は、仕事の一部なので、見られる映画はほとんど観ていました。
文字通り勉強で、セリフのしゃべり方やタイミング、カット割り、映像が切り替わるタイミング、字幕の入り方、音楽のタイミング、などなど予想しながら観ます。意表を突かれて、それが効果的だったら、
「いただきます!」
就職活動する前からやっていたから、5年近くそんなことしてました。楽しめないよう思われるかもしれませんが、それでも十分面白かった。本当に面白いと、それでも惹きこまれてしまっていました。
就職活動していた頃は、それこそムチャクチャ観ていました。トーキーが始まった頃の名作から最新作まで、とにかくレンタルビデオ屋さんで借りまくり!
当時京都にいたのですが、またどういうわけか、京都のレンタル屋さんには、しこたま安いところがありました。
「10本200円」
とか。10本借りて、1週間のうちに何度も観るんです。さすが京都!
それから数年が経ち、今はあまり映画館に行かなくなりました。
理由の一つは、東京に住んでいると、あまりに色々な映画を観られるのでかえって選べない上に、後回しにしてしまっているということがあります。
でも逆に、色んな映画が観られるからこそ、音楽映画はなるべく観るようしてきました。
音楽も、映画としても、ぶっ飛ぶほど完成度が高かった「ジプシー・キャラバン」をはじめ、「ベルリンフィルと子供たち」などドキュメンタリー。「ONCE ダブリンの街角にて」などのフィクション。
タンゴの映画では、「タンゴ・イン・ブエノスアイレス -抱擁-」がありました。
今回の、「伝説のマエストロたち」。
音楽の迫力が凄いです。映画としては、同じタンゴのドキュメンタリー「12タンゴ」のような分かりやすさはない。でも驚くことに、観ていくうちに音楽そのものに心打たれる。涙があふれてきます。そんな映画、どれだけあるだろうか……
そして、ブエノスアイレスの何とも言えない、あの町並み。色んなものが内包された独特の感じ。ぜひ観ると楽しいと思うなあ。
ただ、タンゴそのものに詳しくない方だと、登場人物が分かりにくくて、前半部分は映画に入り込みにくいであろうことが残念です。でもホームページhttp://starsands.com/tango/intro/index.html
やパンフレットで少し顔を覚えて観ると、タンゴの魂に心打たれるでしょう。
6月26日から、Bunkamuraル・シネマを皮切りに、その後各地で公開されます。ロードショーが始まったら、僕は最低もう一度観に行くでしょう。そしてDVDも買うに違いありません。