第二弾「ロコへのバラード」
ブエノスアイレスのマンションについて落ち着いたら、ちょうどお昼ご飯の時間。
東谷さんの作っていた煮込み料理をご馳走になってしまいました。日本を出てから、かなり神経を張り詰めていたので、ここで外に出なくていいのは、本当に助かりました。
牛肉の塊と豆(レンズ豆とかかな?)を煮たもので、滅法おいしかった!アルゼンチンでは、牛がべらぼうに安く(この時の肉は100gあたり90円とかだったような?)、日本ではかなりする豆も断然安いらしいです。
落ち着いたところで、ご近所探検~!
一番近いカフェに。不思議なのは、カフェであることは分かるけど、看板も何もないのです。現地の人は、自動的に家から一番近いカフェでご飯を食べるものなのだそうで、従って問題ないらしい。
そのカフェから
折角なので、南米の名物料理、エンパナーダを早速食べてみました。おいしかった!けど、東谷さんによると、まあまあだという。どんなおいしいものが、これから食べられるんだろう!笑
次の日リハーサルがあるので、頑張って練習もしたけど、アタマが朦朧……
セルバンテス劇場。
ここが、最初のコンサートを聴いた場所になりました。
劇場に着くと、みんながいる。Sayacaさん、会田桃子さん、青木菜穂子さん、鈴木崇朗くん。それと、韓国のバンドネオニスタで、ブエノスアイレスに留学している、コー・サンジさん。Sayacaさんのご両親もいらっしゃってました。みんなの顔を見て、急に胸が一杯になり……何だかあったかく感じました。
コンサートが始まると、オーケストラが出てきます。第一バイオリン6人だけど、クラシックのオーケストラと基本的に同じ編成。木管楽器やホルンも入っていて、曲によってはトロンボーンも。ちょっと違うのは、木管前列のところに、バンドネオンがいる!
ゲストが出てきてビックリ仰天。なんと、バンドネオンの名手として知られる、
ネストル・マルコーニ!!
すごい~!!聴いていると、本当に惚れ惚れします。素晴らしい~
それにしても、ピアソラの曲ばっかりだあと思っていたら、そういうコンサートだったらしい。
(さすがに、往時、世界の大国だったアルゼンチン。美しい~)
さすがに旅の疲れを感じ始めたころ、さらに物凄いことが起こるのです。ピアソラの素晴らしい歌の数々を初演してきて、夫人でもあった、
アメリータ・バルタール、登場!!!
この人を、……一体何と表現すればいいのだろう。出てきた瞬間、存在感で空気の色が変わっているみたい。
とにかく、凄い!!激しい劇性に満ちているのに、まるで芝居がかった感じがしないのです(後でバリローチェでロコを歌っていた人がいたけど、この後だったので、芝居を見ているようにしか感じなかった)。あっという間に吸い込まれて、一緒の何かを見ているような、不思議な錯覚……一体、これは何なのだろう……泣かずに聴いていられない。
ロコ!ロコ!
僕の大好きな曲が次々に歌われ、終わって彼女が引き上げると、激しいアンコールの声。劇場が、一匹の大きな動物のように吠えている。『ロコへのバラード』、もちろん歌ってくれました~
終演後、東谷さん、会田さん、崇朗くんと4人でヌエベ・デ・フリオという大通りを歩きました。ものすごく車道が広くて、信号が青になった瞬間から早足で歩いても、対岸に着く前に赤になってしまう笑、文字通りの大通り(何個かの「島」に分かれてはいます)。
この街、建物はとても綺麗なのに、なぜか歩道はひどいです。どこもボコボコで、ところどころ舗装がなくなっているし、ものすごく歩きにくい。雨はやんだけれど、水溜りがいたるところに出来ていて、何かあったら逃げるのは難しいかもしれません。
途中、何人かの若者にからまれかけたりもし、どうにもおっとろしい雰囲気でした。
楽譜をUSBメモリーから打ち出すのに、ロクトリオというところに行きました。地味なネットカフェのような?電話をかけるところのような?不思議に思ったのは電話です。携帯だって普及してるのに、みんな国際電話でもかけているのかな?何しろ、日本にはない業態だと思います。ブエノス中にポコポコあります。
その後、アベニーダ・デ・マジョという通りに面したお店に、軽く飲みに。
おつまみの盛り合わせをピカーダと呼んでいましたが、その生ハムやサラミの切り方にびっくり(上の写真左)。マグロぶつじゃないんですよ笑 生ハムです。
右の写真はハンブルゲッサ。要すると、ハンバーガー?ちょっと写真じゃ分かりにくいんですが(比べるのを忘れてた)、ひどくデカイです…
やはり、というべきなのか、
ワインが本当に美味しい!
日本でアルゼンチンワインを飲むと、いいものももちろんあるけど、どうもちょっとチクチクした感じがします(アルゼンチンに限らないかも)。けれど、本来もっとまろやかで、多分カベルネよりも丸い、けれど味は負けないくらい充実して、トロトロな気がします。
多謝~
こうして、1日目終了~長かった!!笑
つづく




