この想像を超えた生き物、…人間!
『タンゴのルーツ…ノスタルジー』、多くの方にご来場いただき、ありがとうございました!毎回、ほぼ完璧に満席で、あたたかかった!!
後はファイナル・パーティーを残すだけ。でも、僕の出番は昨日全て終わってしまいました。えらい寂しい…もっとみんなと一緒に仕事したかった…
今回初めて、生のタンゴ・ショウに触れました。体中の血が騒ぐし(おかげでエライ飲み過ぎた…関係ないか笑)、凄まじい衝撃を受けて、クラクラしました。
僕が本格的なタンゴを演奏に関わるようになって、まだそんなに経っていません(ピアソラさんの音楽は、勝手にやってたけど)。そのため、ショウを観たことのない方々に近い感覚を、僕は持っていると思います。
それが、…「タンゴ」のイメージが一変してしまいました!
タンゴのダンスってどんなものか、実は観たことがある人にしか、イメージできない気がします。
2人一組で踊る、脚がこんがらがりそうな動き、というイメージがあるのでしょうか?でも、ショウのダンスはそれだけではないのです。
基本的な動きが全然ダイナミック!もの凄いスピンなんかも。←用語はよくわかんないので、以下イメージです
極め付けは、凄まじいリフト!例えばフィギュアスケートを思い浮かべていただけると分かりやすいと思いますが、踊りながら男性が女性を持ち上げたりするのです。投げて回る、みたいなことはしなかったと思いますが。
ある曲のラストでは、女性ダンサーは美しくのけぞったまま、逆さでポーズを決めていたし(しかも、頭が地面につく、まさにすれすれで…)、空中を鮮やかに回る様は、想像を越えた迫力で観るものを圧倒します。
派手なところは説明しやすいので特に書きましたが、中には、出て来ただけでジーンとさせられるダンサーもいます。
さらに、脚はもちろん、手の動きを見ているだけで、あまりの美しさに目が眩みます。動きが美しいことは、人を本当に美しく見せる気がします。そして、人間って美しい生き物なんだ!と、ナゼだか納得してしまうのです。
また、タンゴの音楽は、基本的に暗い響きで、ズンチャッチャッチャ(?)というイメージがあるかもしれません(そう言われたことが笑)。
なるほど、なるほど!言いたいことは分かります。確かにそういう演奏あるかも。
でも、演奏も色々で、基本的にすごいグルーヴしてるし、ゆったりとメロディックな曲、底抜けに明るい曲、カオスな曲、様々なものがあるのです。
新しい曲も次々に生まれていて、そこには新しい魅力があります!それは、のびのびとしていたり、キャッチーだったりもしていて、先の太文字のイメージとは程遠いと思います。これは、今を生きる我々に語りかけられた、新しい音楽で、新しいタンゴでもある。僕には、確かにそう信じられます。
メロディックといえば、歌はものすごくメロディックで、バラエティに富んでいます。意味はチンプンカンプンだけど、それでも心が浮き上がったり、締め付けられたりする。…不思議だ。
今回共演できた、歌手のヴェロニカ・シルヴァは(ベロニカ…と書くべき?)、「ゴタン・プロジェクト」という、タンゴをクラブ系にアレンジしたような音楽のシンガーとしても活動していたので、様々なジャンルの人に知られているのですが、多彩な魅力を発揮していたのも、白眉でした!
歌はモチロン、魅せ方が凄い!動きなのかしゃべり方なのか、芝居を観ているような引き込まれ方をします。
ベロニカは来年も来日するようなので、音楽だけでなく、芝居に興味がある人も、是非どうぞ!!
いかにもな赤レンガ倉庫
↑演奏者全員写っている、おそらく唯一の写真。お客さんにいただきました!
ちょっとだけ自分の話。
タンゴってかっこいい!うれしい!!そう思いながら演奏することができた日々でした。リーダー・ヴァイオリンの会田桃子さん、バンドネオン北村聡さん、鈴木崇朗(たかとき)さん、ピアノ青木菜穂子さん、ベース東谷健司さん、みんな心から尊敬できる仲間でした。本当にお世話になりました!また一緒に仕事したい!
僕にとっては最後の、横浜赤レンガ倉庫での公演が終わって、最後のお別れの時、ベロニカが英語で「来年、ブエノス(アイレス)で会いましょう!」と、言ってくれた。……もう言葉なんて出ない…
