小説さま
クチコミネタ:好きな小説家
ふと考えると、音楽家は移動時間が長い仕事かもしれない。基本的には首都圏でしか動いていない僕でさえそう思うのです。全国を飛び回っている人も多いし、すごぅい人たちになると、決まったところにほとんどおらず、地球の上を延々とぐるぐる回っている人たちもいる訳で。
移動時間は、本を読みます。
僕はヒマなのが苦手で、ボーッとしていることができません!

しかもそこそこ読むのが早くて、マンガだと15分で1冊終わってしまうので、大量に持っていかないとイカン。よって、本しかないんです。村上春樹の文庫本くらいだと、ゆっくり読んで1冊1時間半。ナントカもちます。
不便だッ!!!

亡くなった小説家をのぞいて考えると、今よく読むのは、浅田次郎、石田衣良、宮部みゆき、藤本ひとみ、佐藤賢一といったところでしょうか…
特に、浅田、石田両氏は、すごい職人だと思っているのです。中にはもう一つのものもあるのですが、それでも60点はつけたくなる!読んで損をするような小説は1本もなく、大当たりもゴロゴロ。
浅田氏なら、『シェエラザード』『蒼穹の昴』『天切り松闇がたり』『壬生義士伝』…泣かされまくりです。笑えるものなら、まずは『プリズンホテル』、そして女性の方なら『輪違屋糸里』などよいかもしれません。
石田氏には、『波のうえの魔術師』に胸躍らされ、『美丘』『ブルータワー』に泣いた!
考えると、小説を読むことは、これまでの人生そのものかもしれません。
朝5時に目が覚めてしまった幼いころ、できることは本を読むことしかなかったのです。大人の本を読み始めたのは、小学4年生で吉川英治の『三国志』を読んだ時。中学時代に司馬遼太郎を読みあさった。…うーん、嫌なガキだな~笑
でも、TVを作っていたにも関わらず、ほとんどTVを見せてもらえない少年時代を過ごした自分は、本を読む以外、娯楽がなかったのです。
でもまあこれが、自分のドラマを作りたいという、前職への夢につながっていた訳です。
自分の人生で体験できることは少ないし、会える人だって限られている。
僕が音楽から色んな物語を感じるのは、バカみたいに、本と映画、ドラマに触れてきたからだと思っています。
マテマテ、僕みたいな凡百なものが呼び捨てしてはならぬ。小説さま!映画さま!!!ですね!笑