台風情報!…戦場です。
台風です。数年前、やっぱり怖い!という経験をしています。
台風中継で、川にいて、最初川面に近い、船着場にカメラを据えておりました。スタッフが増水するかもと教えてくれたので、橋の上に移動。こういう決定は、現場にいるディレクターがしなくてはいけないのです。
やっぱ遠いなあ~と後悔していると…?川面が膨れ上がるように、見る見る増水が始まるッ!!
なんと2、3分で、先ほどいたところが水に埋まってしまったのです。
「あそこにいたら、流されてたなー…」と、唖然。
まだ外におられる方は、(誰もいたくているわけじゃない訳ですが)お気をつけ下さい!!
中央線の一部など、止まっています!
テレビ局は、台風が管轄の地域を通るのが確定すると、臨戦体制に入ります。まず、上司に呼び出される。
「宮越チャン、今すぐ帰って」
「…は?」
「夕方から台風中継始まるから。朝の交代部隊よろしく~!勤務記録消しといてねー笑」
「はーい(マじかよッ)」
で、3時半とかに中継先に行くのですが、さりげなく食べるもの、飲み物、カイロなどを持っていきます。カメラマンなどは、出番じゃないときでもかなりの時間、外でずぶ濡れだから…
交代を済ませると、管轄局(僕は岐阜にいたので、名古屋局)のニュースルームから、携帯に電話がかかってきます。
「君ンとこの中継は今のところ、5時26分くらいから、40秒。それともう1個、どこかに全中(全国放送)入るよ」
…だけなら、楽なんだけど。
「最初の画は、川の流れからでヨロシクー!!」
「え?(川は大した事ないんで、水に埋まった道路から行きたいんですが…)はいはい、了解ですー!!」
みたいなやり取りがあって(かなり細かいことが多くて困る…)、アナウンサーのところに行って、一緒にコメントを考えます。
コメントが出来たら、カメラマンのところへ。
「こんな感じでお願いしまーす」
どれどれ、となるのですが、かなりの確率で、
「なにィ!?どこから何撮って、どうカメラ振るんだ?!このコメントだと、あっち撮って次はこっち、また最初のところ写して、とかやりてえのか?!アホみたいな画になっちまうだろ!
」
毎回ケンカです笑
原因は色々です。アナウンサーが撮る人のことを考えてくれなかったりして、また名古屋の注文を、それにムリヤリ押し込んだりしているので、なだめすかしてコメントを色々変えてもらっても、画を重視していないと、カメラマンは納得しないのです。
「え~それはですね、ここから入ってズーンとズームバックです。コメントここんところで、右にパン、じりっとズームインすると何とか…わはは」
などと、ギリギリの妥協点を探ります。でも、
「ここんとこは、やっぱりあっちを写したいですよねー」
などと、ご機嫌取りもすると笑
「じゃ、ここだけは撮る画がないんで、アナにコメント変えてもらいますから、これでお願いします!!」
で、アナのところに戻る。…まあ予想がつくと思いますが、同じようなやりとりがあり笑、さらに編責(ニュース全体の責任者)から新鮮な注文(ムリ)がいっぱい届き、ディレクターは走り回りながら、何とか辻褄を合わせるわけです。
ドライ(ドライ・リハーサルという、カメラを回さないリハ)、カメリハ(カメラ・リハーサル。本番どおりのリハ)で、また文句を言われ、色々調整して、本番5分前。中継車に入って、インカム付きのヘッドホンを被る。
「3分前です!みなさんよろしくお願いしますー!!」
10秒くらい遅れて、カメラマンのボソッと「しゃーねえなあ」という声が聞こえて、中継車内が和みます。
画面を見ながら、名古屋と電話をつなげておいて変更などを適宜教えてもらいながら、画面を見てスタッフに解説。
「あと1分くらい。スタジオ入りましたー。この後、津があってうちらです。渡しコメント『以上、津からお伝えしました』でーす!」
カメラマンが、やっぱりぼそっと、
「…宮越、オマエ今度おごれよなッ…」
「さっすが〇〇さん!いつもありがとうございます!了ッ解しました~笑」
…など、最後は一丸となって(?)本番。
「津に入りましたー。ネットイン約40秒前!…まもなくシメコメー
。『以上、津からお伝えしました~(マネをする)』まもなく!…はい、ネットイン、キューッ!!!」