青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。
そこが僕らの故郷、霞町だ。あの頃僕らは大学受験を控えた高校生で、
それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。
浅田次郎が始めて書いた。著者自身の甘く切なくほろ苦い生活。感動の連作短編集。
ふぅ~。以上裏書より。
さて、久しぶりに小説を読みました。以前は週に2冊ぐらいのペースで読んでいたのですが。
自転車にのめり込む様になってからは時間が無く御無沙汰でした。
このあいだの運動会に持っていったのがこの本でした。
奥さんからは「ああいう所で本を広げてると、いかにもインテリって感じがするから止めて」
と言われたんですが、子供の出ない競技をただジッと観ているのもツマラナイので、
奥さんの言葉は聞こえないフリをしましたΣ(゚д゚;)
まぁ結果は持って行って正解でした。
浅田次郎はオニシメのお気に入りの小説家です。
このブログにも良く登場してますね。その浅田次郎の自伝的青春小説です。
オニシメこの青春小説系に弱いんですよ。村上龍の「69」とか石田衣良の「4TEEN」とか金城一紀の「レヴォリューションNO.3」とか大好物です。
さて、この小説の中にですね。主人公、つまり浅田次郎の祖母の話が有るんですが、
これがとても面白い。
お芝居を見に行った帰りに、銀座のお鮨屋さんに入るんですが、御昼の掻きいれ時なもんだから、据わったとたんに出来合いの鮨を出されるんですね。すると、
「手をつけるんじゃないよ、お姉さんおあいそ!」と言って千円を出し
「釣りはいらないよ」と捨て台詞を残して店をでてしまう。
気を取り直して鰻を食べようという事になって、今度は鰻屋に行くんですが、
待てど暮らせど、鰻が出てこないので、
「おばあちゃん、うなぎ遅いね。」と言ったら、
「おまい、うなぎ屋で早くしろは口が裂けたって言うんじゃないよ」
「うまい鰻はそれだけ手を掛けて焼くんだ、鰻の催促は田舎者って決まってる」
早い鮨は食うな、遅い鰻は催促するな、と江戸前の作法とはなんとやかましいものだ、と当時の僕は思った。
「ちょいとの間、これで辛抱おし」と僕の口にドロップを入れてくれた。
鼻につんと抜ける薄荷の香りを渋茶で味わいながら僕はその時もやはり、ガラス越しの西日に隈どられた祖母の顔を、美しいと思った。
ね、粋でしょう、(〃∇〃)
他にも、祖父とかテキヤの谷さんとか、色々とカッコいい人が出てくるんですよ。
