何かを動かすには力が必要だ。静止した物体を動かすのには特に大きな力が要る。だからいつもの回転を減速して減速してトルクを出す。のが今年の目標。

 

 -----twitterではずいぶん端折った言い方をしましたが、少しだけ説明させてください。

 

 学習を積み上げても・実力はあっても、英会話ができない人はたくさんおられます。実際に英語を使う力は、ドアがない隣の部屋のようなもので、こちら側で実力を上げることが隣に行ける保証にはなりません。隣の部屋には、事実、仮定法ができなくても、未来完了ができなくても英語を自分のことばとして使いこなしている人がたくさんおられます。

 

そのドアを開けるのは「慣れ」と言われることもありますが、それよりも、英語に対する構えない態度、「自然に英語が口から出た」たった一度の体験です。隣の部屋に行けば「慣れ」はもれなく付いてくるのです。そして、一度ドアが開けば、培ったすべての力は「英語力」に直ちに反映されます。

 

 ドアを開けることが今年の目標です。

 

 存在しないドアを開ける---それは回ったことがなく、静止状態の車輪を回すのと等しく、重く、力を要します。「最初の一回転」を最大の力で回す方法は、一般に「減速」です。公理的・規則的なアプローチであれば、一瞬で解説が済むような、あるいはまったく解説しなくてもいいような、表現や言い回しに、コグをいくつも噛ませてゆっくり時間をかける。時間をかけ学び・練習することによって、作動はより力強く・自動的になります。そうやって身につけた表現が「考えずに」思わず口を突いて出てくる状態にする。その宝石のような体験を数回繰り返せば、学習者は「隣の部屋」に行くことができます。

 

 そうした講義を今年はやりたいと願っています。

 機会があれば、ね(^ー^)

 

 

 

大西泰斗