夏は、スイカを切らさないようにしている。

 

 

 暑さで食欲がなくてもスイカはおいしく食べられるからだ。

 この季節によくこの食べ物を用意してくれたなぁと誰にともなく感謝している。

 

 この食品を食べているときにはいつも、亡父の口グセ

 

 「水がわりに食べなさい」

 

を思い出している。「そんなものいつでも買ってやるよ」と鷹揚風なところが本人は気に入っていたのだろうと思う。