introverted(内向的)という単語があるが、この単語に私は否定的な見方を一切していない。extroverted(外向的)の逆ではあるが、「外に開いていない」のではなく、積極的に「中に開いている」という意味だといつも思う。

 

 昨日は夕方から桐原書店の全社集会にお邪魔した。40分ほど「総合英語FACTBOOK」の「意味」についてお話するためだ。

 「一億人の英文法」では不要な用語や細則を取り払い単純な語順則を回帰的に適用することによって、シンプルな英語運用を可能にした。一般の高校生であれば、通読し文法を乗り越えることができたはずだ。「FACTBOOK」は「理解の容易さ」をさらに進めた。例文の質やプレゼンテーションのあり方を検討することによって、学ぶ意欲さえあれば中学生でもどんどん読み進めることができ、大部の文法書を越える深い英語理解を得ることができる内容となった。「高校生用の文法」と考えず力のある学生を擁する中学校なら躊躇なく採用をお願いしたい。文法はなるべく早期に終えなければならないものだからだ。文法は英語学習の必須要素だが、そればかりやっていても英語力は上がらない。言い回し、表現テクニックなど学べきことはその後に山ほどある。... ... などなど。

 

 こうした話をした後、会社の近くのイタリアンで親睦会。斎藤社長とは旧知の間柄なので、この会社に来るときにはどうしても「斎藤君の仲間」といった意識で皆と接する。そしてそれはいつも喜ばしいものだ。彼の人柄が組織のつながりのなかに見え隠れしている。extrovertedな人間の面目躍如というところだろう。

 

 

 

 2枚目の写真に私はいない。

 この写真が撮られたとき私は店外に置かれた灰皿のまわりで、国語担当の方と話をしていた。

 

 「漢文訓読の話をしてましたね」

 「漢文は少し前の日本人にとっては教養の証で、先日他界した叔父にはいつも、大学教員でありながら漢籍の知識が絶望的に不足していることをいつも叱られていたのです。英語の話をしているときにも、つい出てしまうんですよ」

 

 introvertedな人間は、いつも自分の中をのぞき込んでいる。自分に何が起こったのか。なら自分はどうしたいのか、どうすべきなのかにしか興味がない。組織は作れないし、維持もできない。ただ、ときどきノックしてもらえればあまり聞いたことのないおもしろい話ができるようにも思う。