UP TO ME!


10/15にリトグリ22枚目のシングル「UP TO ME!」が配信開始となった。

TVアニメ「七つの大罪 黙示録の四騎士」のオープニング曲だ。最近のアニメ事情はサッパリわかっていないのだが人気アニメらしいのでヒットに期待したい。


今回は疾走感のあるアップテンポのメジャー調の曲だ。久しぶりにC6人のリードボーカルが目まぐるしく変わる。規則正しく入れ替わるのだが、その切り替えはセカワラ並みに激しい。

配信から随分と時間が経ってしまったが、この曲について書いておきたい。


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まず構成は以下。

(リードの入れ替わりが激しいのて歌詞は端折って記載)

◯の数字は小節数


1番

▪️サビ2     ♪何回だって… ア⑧

▪️Aメロ ♪そもそも傷を…miy⑧

▪️Bメロ ♪ヒーローは… M⑧

▪️Cメロ ♪上の空…結④ か② mi⑧ か②

▪️サビ1  ♪僕ら自由自在…

      mi④ か④ ア② か②ア④

▪️サビ2  ♪何回だって… ミ④  結④


2番

▪️Aメロ ♪そもそもこの胸に… 結④ か④

▪️Cメロ ♪後悔だけは…M④ 結② mi② ア②

▪️サビ1  ♪僕ら駆け上がろう…

      ミ④ か④ m② 結② mi②

▪️間奏 (僕ら自由自在…  ア)


▪️Dメロ ♪誰かのせい…M④  ミ④

▪️落ちサビ&サビ1  ♪僕ら自由自在…

                   ア④ 結④  か② ア②  か④

▪️サビ2   ♪何回だって… 結④  ミ④

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弾けるような明るいイケイケの曲なのでシンプルかと思いきや、曲の構成はやや複雑だ。

A,B,Cに加えDメロまであり、サビも2段階に分かれている。(分け方は解釈次第で変わります)


この曲の私が考える特徴を4つ挙げてみた。

⑴久しぶりの転調アリの曲

6人になってからは「おかえりなさい」以外は全て転調無しの曲だった。なので6人でリードを回す通常曲としては初めてとなる。

キーはAで始まる。サビでキーCに転調。

厳密に言うとサビ前のCメロの終わり、1番で言うと

♪ハッピーエンドならそれでいいなんて嘘 のかれんリードのフレーズでCに転調している。

ここは徐々に(と言ったら変だが)Cに変わるので続くmiyouの♪僕ら自由自在… は入りやすい。

逆にサビ2の後の2番AメロでまたキーAに戻る箇所は伴奏などのナビゲート無しにいきなりリードで転調するので結海の入りはやや難しい。

(ところで、この2番Aメロは結海かアサヒか実はわかっていない。どなたかおわかりですか?)

ここの戻り転調、みなさんがカラオケで歌うとスッと入れるのだろうか?


⑵早口言葉のような詰まりに詰まった歌詞

Cメロは特に早口だ。これをごまかさずに歌い切っている。しかもリードだけでなくバックコーラスも付いていかなくてはならない。


⑶中毒性のあるメロディ

音階の1、3、5度の音が強く、それが中毒性となっている。A BメロはキーAだからラドミが強め。ラドミを多用しているということだ。

さらに転調したサビ以降はキーCなので1,3,5度はド、ミ、ソ、それにラはかなり多用されており強い。サビ1の♪自由自在…などはその典型。ドソラでほぼ歌える。音階が少ないメロディは中毒性が強く耳や頭に残る。単純で、どこか人を喰ったようなメロディなので嫌う方もいるが、TikTokや茶の間では覚えてもらいやすい。


⑷音階の飛びが激しい。しかも高音

これは歌うのに難しい。例えば冒頭アサヒのサビ2の

♪何回だって泣いたっていい「よあ」ざむけないから… の箇所。「よ」と「あ」で何と1オクターブの飛びだ。

もちろん1番サビ2のミカも、ラストのサビ2の結海も同じだ。みんな平然と歌っているので気が付かない笑


さらに、サビ1の♪変わらないこのみ「らい」が…。

「ら」と「い」はソ→ミの6度の飛び。これは飛び方もえげつないが、「い」の音階が非常に高いので先ほどの1オクターブ飛び以上に難度が高い。しかもファルセットでなく地声だ。

この高音は「E5」=「hi E」でhiというオクターブのミの音だ。この曲においてこのhi Eは3回登場する。

1番サビ1の♪みら「い」。これはかれん。

2番サビ1の♪ゆう「き」。これは結海。

落ちサビ後のサビの♪みら「い」。これはアサヒ。


まあ、音域モンスターのかれんはわかる。

かれんにとっては余裕かもしれない。

アサヒは(私の把握している限り)半音下のhiE♭までは地声で出した。「いつかこの涙が」の終盤フェイク、「白い恋人たち」の終盤フェイク、がいずれもhi E♭だ。 「今この瞬間を」の♪さあ行こーも「Rollingx3」の♪Rolling Rolling Rolling Ro---は1音低いhi Dだ。だからこのhi Eはアサヒの地声での最高音ではないか?(学生時代の古い動画は知らないが)


そしてそして嬉しいのは結海だ。この高音を出せるメンバーがかれん&アサヒ以外にもいたのだ! しかも声が太い。これから楽しみで仕方ない。

この6度飛び&しかも高音 の声の出し方は3人で異なる。ここはできればしゃくることなく音の始めから当てに行きたいフレーズだ。(激むず😱)

かれんはしゃくることなく(ほぼ)ズバッと行っている。

アサヒ、結海はかれんほどズバッとは行ってはいないが十分だ。そのトライは素晴らしい。高音フェチの私にはたまらなく嬉しい笑。


かなり脱線するが、高音のリトグリ曲だと「Go My Way」がある。これを聴き直してみた。

この曲はずーっと高音域なのでボーカル泣かせだ。その中でも終盤の♪み「ら」いで の箇所でかれんとmanakaはhiF♯という超高音を地声で出している。hi Eよりも1音高い(カラオケキーで2up)。 芹奈もフェイクで同じhiF♯を出している。私はこの曲を大好きだが実は鬼のような過酷な曲だ。

(随分と喉を酷使したのではないか…)


ここまでやる必要は全く無いが、結海の存在は大きい。歌える曲の幅が広がる。リードを入れ替えるリトグリだから尚更だ。超高音を必ずかれんに任せ続けるよりも幅が広がってゆく。これから必ず強い武器になる。


最後になるが、コーラスについて。

この曲の前半のコーラスは今ひとつ聴き取れないところも多い。しかしCメロ前半の濁り具合などは良さそう。そしてサビ以降のコーラスはとても分厚くかなり良い。「今この瞬間を」の域にはいかないが迫力はかなりのものだ。リードオフバージョンは是非とも聴きたいものだ。


初めにも書いたが、この曲は筋が良い。

流行りのアップテンポ、中毒性のあるメロディ、高音、ハーモニー、と明るい要素がふんだんにある。

何より聴いていて楽しい。

それに何といっても人気アニメのテーマ曲という強みは大きい。年末に向けても少しヒットを飛ばしておきたい頃だが少し遅いか? いや、まだイケるよ。

まずはCDTVライブ!ライブ2時間SPで楽しさ満開で派手にぶっ放して欲しい。期待してますよ。