If I ain't got you


10/5、リトグリのラジオ番組ミューズノートにおいて

かれん、miyouの2人による生歌「If I ain't got you」

が披露された。

言わずと知れたアリシア・キーズの名曲である。

プロ、アマ問わず多くの歌い手にカバーされている。

初期のリトグリも歌っていたし、卒業後の麻珠も芹奈も歌っている。ただその多くは歌唱のみだった。

今回はmiyouのピアノ演奏にかれんとmiyouが歌う、という新しいスタイルだ。


超人かれんの多才さはもちろん知っていたが、今回はmiyouだ。彼女の才能のマルチぶりをあらためて思い知った。その感想を書いておきたい。 

「NHKらじるらじる」でも次回のミューズノートまでの期間しか聴けないのでこのブログもそれ以降は意味がないのかもしれない。3日の命だ笑笑

ご了承ください。



まず曲の概要と構成。今回は1番だけを歌った。

キーは原曲キーの通りG。 リズムは3拍子。

(空間に三角形を1,2,3と連続して書いていくとリズムが取れる)


構成は以下。

▪️イントロ

ピアノ+フェイク… 8小節x2回

▪️Aメロ(verseと言うらしい)

♪Some people live for the fortune…8小節x2回

▪️Bメロ(pre-Chorusと言うらしい)

♪Some people think… 8小節x2回

▪️サビ(Chorusと言うらしい)

♪Some people want it all … 8小節x2回

▪️アウトロ

ピアノ+フェイク…8小節x2回


全てのブロックが8小節x2回と均一になっているので曲が安定していて、聴いていて落ち着く。

ちなみに1小節は3拍(三角形1回分)なので8小節x2回は三角形を16回分だ。



▪️イントロ

miyouらしい優しいピアノのタッチでイントロが始まる。見事に原曲通りだ。

♪タタタ タタタ タタタ…(タタタで1拍) 

「タタタ」x6回=2小節が同じ音階で、次の2小節で1音または半音ずつ下っていく美しいアルペジオだ。(ギターで言うとアルペジオ)

2小節の1〜4回目で前半、2小節の5〜8回目で後半となっている。後半の6回目の2小節の最後でつなぎのためにわずか1拍だけ半音下がるタタタを入れてきているのがオシャレ。これも原曲通り。

かれんのフェイクは前半の終わり頃から入ってくる。これもよく原曲を聴き込んだ雰囲気のあるフェイクだ。


▪️Aメロ(verse)

かれんリード。ほぼ原曲通りだ。かれんの方が原曲より少し抑えめに歌っているかな。

かれんは低音域でも息を漏らすことなく地声100%を出すことが多いが、この歌は違う。裏声のように思い切り息をブレンドさせ、しかもビブラートをかけて歌っている。かれんにしてはレアケース。このような歌い方は思いつく限りでは「Come Alive」「会いにゆく(代々木5th Celebrationのソロ)」しかない。


miyouのピアノは右手でコード(和音)、左手でベースを押さえている。原曲のベースラインはシンプルだが、これに少し強調などの手を加えているのか?

例えば♪for the power… のところなど。


▪️Bメロ(pre-verse)

miyouがリード、かれんが3度上ハモ。さすがのかれんはすかさず音量調整してリードを活かす。キレイなハーモニーだ。 

ピアノもボーカルの盛上がりに合わせてちゃんと強弱をつけている。♪Define…のところのベースの強調のしかたなどはグッとくる。


▪️サビ(Chorus)

サビ前半はmiyouがリード、かれんが下ハモだ。

ソウルの曲だとmiyouの声が活きる。特にサビは素晴らしい歌声だ。

かれんのハーモニーもさすがで、例えば

♪If it ain't you, baby  

♪If I ain't got you, baby 

のハモりは難易度が高い。

(この直後、かれんリードに変わると音量も即座に調整しているところは、さすがとしか言いようがない)


サビ後半はかれんがリード、miyouが下ハモに入れ替わる。miyouはリードであるかれんの音量に合わせて自分の音量も調節しているのがおわかりだろうか?しかもピアノを弾きながらだ。しかも左手ベースを中心に強弱をつけながらだ。全てに注意を払いながらの生パフォーマンスだ。才能がキラキラ光る。


♪for everything  の箇所を2人揃って強調し、逆に次の♪everything is nothing …で揃ってふわっと抜く。

ゾッとするくらい素晴らしい。

ここも同様にmiyouはピアノを弾きながらパフォーマンスしているのだ。

ほんのワンフレーズを切り取って賞賛するのは少し大袈裟かもしれないが、才能のかけらはこういうところで拾い上げるものだと思っている。

 たまに音楽に精通しているミュージシャンで鍵盤を弾きながら(リードでなく)ハモってる方を見かけるが、

miyouもそれくらいの音楽センスを持っているということだろう。

(もちろん、かれんも持っているけどね)


▪️アウトロ

難しい節回しを簡単にこなすかれん。

miyouが絡んでくると、いつの間にか低音側に移動し

最後はオクターブ下に潜り込んでしまう技を見せている。

そしてオーラスはmiyouのしびれるような♪yeah〜で終わる。

いや、とても素敵な演奏でした。


以上、思いつくままに書いてきた。

リトグリは言うまでもなくボーカルグループである。そしてさらに、ただ歌うだけでなくこのようなミュージシャン的な一面も持ち合わせていることも今後の大きな武器になると思う。

ピアノやギターの弾き語り、どんどんトライしていただきたい。

そしてこの演奏は、録り直しても良いのでぜひとも音源に残して欲しい。