毎度毎度遅くなっております。

放送から1週間も経ってUPしても気が抜けた感じがしますよねえ。まあ読む方だけ読んでください。アタリマエカー



8/25、リトグリはMステに出演した。

リトグリ単独でカバー曲「スローモーション」、オリジナル曲「今この瞬間を」を、さらにゴスペラーズさんとのコラボで「衝撃デビュー曲メドレー」を披露した。2時間枠とはいえ"出まくり"の印象で嬉しい限りだ。


Mステ、中でもゴスペラーズさんとのコラボの時はいっ出来が素晴らしいのだが、今回もまた圧巻のステージだった。


では気づいた点、感想を。


◾️スローモーション

安定のアサヒとミカに加えて結海もよかった。


この曲の中で興味を引いたのはサビの ♪出会いはスローモーション…♪ だ。全部で4回あり、リードボーカルは結海、miyou、アサヒ、かれんの順番で回している。それぞれのリードの色が味わえて面白い。


例えば♪出会いはー の「はー」の箇所。

ザックリ言うと結海、miyou、かれんは素早くしゃくり上げる感じ。音程の上げ方が素早いのでいわゆる"しゃくり"っぽくは聴こえないのだが、アサヒのそれを聴くと違いがハッキリとわかる。アサヒだけは音のはじめから当てに行っている。

ここだけでなく例えばBメロの♪ふいに背すじ「をー」

の箇所もキレイに当てに行っている。これがアサヒのこの曲に対する解釈なのだろう。とても素直で清楚な歌い方。流行りとは真反対なのがアサヒらしくていい。

以前、代々木のライブで歌った「まちぶせ」といい、この曲といい、切ない系の昭和歌謡を歌わせたらやはりアサヒはピカイチだ。あらためてその威力を感じた。


やはりサビのブロックでの比較になるが、miyouのサビパートの最後♪映るひ「とーーー」は4拍x3小節=12拍分のロングトーン。miyouはオーディションの頃は伸ばす音は始めからビブラートをかけていたと思ったが、ここでは2小節はしっかりと真っ直ぐに伸ばして3小節めからビブラートをかける、というプロの歌い方になっている。(もしかしたら単に最後まで息を保たせるための工夫なのかもしれない)


一方かれんの2サビパートの最後♪ゆるやか「にーーーー」は4拍x4小節=16拍分のロングトーン。長い…

こちらはビブラート無し!かれんらしい真っ直ぐな伸ばし方だ。ロングトーンにも個性があって面白い。


そして結海。1サビの前半、endingと2回のリードを担当しているが、いずれもピッチもよくエモーショナルで引き込まれる。

それにしてもAメロをendingに持ってくる曲は珍しいかも。余韻が残るうまい手法だ。来生たかおさん、やるな。


ちなみにコーラスは、サビの時の美しいハーモニーが印象的だが、Bメロのアサヒリードの後ろでミカとmiyouが細かいことをやってくれている。ここなどは少し前だったらMAYUが汗かくところだが、今は余裕の人数で回し切れているのがちょっと嬉しい。


ここからゴスペラーズさんとのコラボ。"衝撃デビュー曲メドレー"。


◾️夜に駆ける

また難しい曲を選んだものだ。ドMか?笑

音程の高低差があり音符が飛ぶ。歌詞が詰まって字数が多いので合わせるのも大変で一体感、グルーヴ感が出し辛い。また歌ってみるとわかるがブレスが難しい。しかも原曲よりも若干テンポが速く感じるのは気のせいか。

キーは原曲キーのCmで来た。


イントロサビ

出だし、アサヒは少し緊張気味で固さがあるか…。


♪ダ、ダ、ダーのテンションコードのハーモニーはカッコよく決まった。ここは決め!という箇所ではずしたことがあまり無いのは大したものだ。


Aメロ

リードはMAYU、かれん。少し不安定か。

ミカ、結海で若干持ち直した感。

Bメロ

miyouリード。これもピッチは不安定か。

♪触れる心「ない」言葉 うる「さい」声になみ「だが」零れそうでも… のパートでは「」がアクセントのポイント。アクセントの取り方のリズムが難しくはあるが、メンバー間できちんと共通理解ができている。

サビ

アサヒリード、♪さわがしい日々に… の出だし「さ」

はhi- E♭。完全に上がり切ってはいないが何とかギリギリ耐えた感じ。

ちなみにこのhi- E♭(hiというオクターブのミ♭)は「いつかこの涙が」の終盤のアサヒのフェイク、「白い恋人たち」の終盤のフェイクの最高音と同じ高さだ。

さらにご参考までに「今この瞬間を」の♪さあ行「こー」はhi E♭より半音低いhiD。


やはりこの歌は相当に難しい。テレビの音だとわかり辛いが、ネットの音をイヤホンで聴くとどのメンバーのリードボーカルも微妙にピッチのズレを感じてしまう。やはり高低差と字数の多さは強敵なのだろうか。



◾️「香水」は割愛〜

さすがゴス兄さん。平坦な曲にハーモニーで表情をつけて盛り上げてくれた。


◾️うっせぇわ

さあ、ゴス兄さんとよコラボだ。


これも E難度の曲だ。ドMか?笑笑

やはり音階の高低差が激しく高音だしグルーヴ感を出すのはかなり難しい。しかも原曲キーで勝負だ。


前曲が終わり、ギターがキーのBmのコードをならす。このコードを利用してメンバー全員が自分の音を確認し、イントロの♪ジャーラ という頭出しに備える。


イントロ

出だし、いきなりすごい迫力で始まった。

原曲に負けていない。まあ11人だもんね。

♪見せつけてやる の後の♪トゥントゥントゥントゥン「トゥー」のハーモニーがすでにカッコいい。特に最後の「トゥー」は9度(9th)の音か? しかも何やらその下でハモリが聴こえる。オシャレー。


Aメロ

♪ちっちゃな頃から優等生「タン」

♪気づいたら大人になっていた「ンパ」


♪大人になっていた は絶対に息を混ぜないように喉を閉めて声を絞り出すような発声。これはかれんの得意技。

初めの「タン」という合いの手のコーラスは表の拍。

優等生の「ゆ」から数えて4拍め。

ところが次の「ンパ」は裏の拍。なっていた の「な」

から数えて3.5拍め(3拍めと4拍めのあいだ)。半拍早い"食った"リズムだ。この辺りの遊びがいかにもなアレンジだ。

そしてこのメンバーはいとも簡単にリズムを揃えている。キレがあって気持ちいい。


A'メロ

♪ナイフのような…

♪でも遊び足りない…

かれんが思いっきりノリノリで歌っている。選曲がそうさせるのか、それとも親しいゴス兄さんと一緒の安心感からか、解き放たれたような歌い方だ。

♪混乱するエイデイ の後、ミカとアサヒが追いかけコーラスを割と細々と歌っている。

これ、何でもないように歌っているがとても難しい音階だ。一瞬、音はずした?と思ったくらいだ。聴き直してみるとテンション狙いの音でありはずしているのではないとわかる。

黒沢さんファ♯シ→ミカがラレ→アサヒがレソ♯と重ねていく(間違っていたらごめんなさい)。ミカのでも難しいのにさらにアサヒの"レソ♯"はその上を行く難度。

マイナー6度?さすがかれんと並ぶスゴ音感の持ち主アサヒだ。


Bメロ

♪最新の流行は…ここからの怒涛のコーラス。やはり男女混合の声だとスゴい迫力。11人の気合いのハーモニーだ。怒涛のコーラスとともに結海の形相が怖くなっている笑。

♪当然のルール「で」す  の「で」の箇所の北山さんのベースが良い。ベースギターでフラットをスライドして上げていき敢えて少し上げすぎるところまで声で表現している。オシャレ〜。


サビ

かれんの"ガナリ"の♪ハー からサビに突入。

♪あなたが思うより健康です…   つ、つ、強い!

かれん史上最強のパワーではないか?

♪その可もなく不可もないメロディ…のバックコーラスはスゴすぎてどうなっているのか、笑えるほどだ。そして北山さんのベースの細かな刻み方がエグい笑。

で、♪うっせぇうっせぇうっせぇわ のパート、半音ずつ下りながらのハーモニーがまたカッコいい。

♪頭の出来が違うので問題はなし!…のパート、無敵のかれんに負けない結海。鬼のような形相でかれんとのユニゾン。迫力満点。いい味出してるなあ。


そしてオーラスの仕上げは全員での♪うっせぇうっせぇうっせぇわ♪のユニゾン大合唱で幕を閉じる。サビからラストまで畳み掛けるようなリードとコーラスに圧倒されてしまう。余韻がすごい。


勢いのある曲だが、決して勢い任せではない。

強いが確かなリード、その裏の緻密なリズムと躍動感と一体感のあるコーラスは本当に素晴らしい。さらに強弱の付け方、テンションの織り交ぜ、など冷静に観てもやはり素晴らしい。よくこの短期間で仕上げたものだ。


歌い終わった後の出演者の拍手と歓声がこの圧巻ぶりを物語っている。

やはりこの2組のコラボは裏切らない。

どのテレビ番組もこよ魅力はわかっていて、もはや定番になってきた感もある。今後も季節に1回くらいは見られそうな予感。

いいねー、ゴスグリ。