Mステ ハモりソングSPメドレー



リトグリは4/26Mステに出演し「いつかこの涙が」と「ハモりソングSPメドレー」を披露した。



この回は"今こそ歌いたい!ハモりソングBEST10"を発表し、その11曲についてゴスペラーズの村上さんと黒沢さん、さらに有名ハモリスト達が解説する、という丁寧さ。


そして番組の最後の仕上げとして、我らがリトグリがその中から3曲を歌う、という何とも贅沢な企画だ。 



今日歌った2曲のうち、ハモりソングSPメドレーについて感想を書いておきたい。


と、その前に「いつかこの涙が」に一言だけ。

最後のmiyouのフェイク、ついに地声で頑張ったね。これまでファルセットだったけど

ここのフェイクはやはり地声でしょ。

ブラボーでした!



▪️勿忘

これはyoutubeで公開済みの「アカペラ春ソングメドレー」でも歌っている。

youtubeでは「勿忘」のサビのみを1回歌っているが、今回のメドレーではそれを2回繰り返している。

1回めはアカペラでmiyouリード、2回めは伴奏付きでMAYU、かれんリード。


miyouの声とグルーヴ感にはあらためて感心するばかり。

出だしの ♪はるのかーぜーに

このフレーズだけでもそのノリの良さがわかる。

リズム取りに余裕を感じる。


ピッタリと音符に乗せているのだが、それだけではない何かがある。

一字一字の発音、ゆったりとした間の取り方は独特で、結果として生まれてくるグルーヴ感については私には到底説明できない。 

専門家の評をぜひとも聞いてみたい。



コーラスはとてもキレイ。

最後の♪花束「をー」 も相変わらずオシャレな濁りで気持ちがよい。





▪️待つわ

え? まさかの「待つわ」かよ


ところが、あまりに素晴らしく感動モノだった。


アサヒ&ミカの可愛らしくも切ない極上のユニゾン・ハーモニーが光りまくった。



Aメロ ♪かわいいふりしてあの子

A'メロ ♪行ったり来たりすれ違い


アサヒ&ミカのユニゾンがあまりにも綺麗すぎる。

6人の中でもっともクセがない(というよりクセを隠した)歌い方の2人のユニゾンだからピュア感半端なく、すごく綺麗。


それだけではない。

派手な盛り上がりもなく淡々とした曲だが、その淡々の中にもポイントがある。


かわいいふりしてあの「子」わりと (⑧拍)

やるもんだね「と」♩♩♩♩      (⑧拍)


「」の箇所に軽いアクセントがある。

ここはスタッカートのように音を切っている。

(「子ー」とか「とー」のように伸ばさない)


1,2,3,4, 1,2,3,4……と表リズムで手拍子していくと

1行目の「子」は2拍めと3拍めのあいだ。

「と」は4拍めと次の1拍めのあいだ。


いわゆるシンコペーションの"食った"リズムだ。


続くA'メロ

行ったり来たりすれ違「い」

 あなたと私のこ「い」

も同様に1行目が2泊めと3拍めのあいだ、

2行目が4拍めと次の1拍めのあいだ。


Bメロになるともっと顕著で

あーおー「く」 や ♪かーぜー「に」

4拍めと次の1拍めのあいだ。  

思い切り音を切ったシンコペーション。


サビもわかりやすく、

わたしまーつー「わ」

いつまでもまーつー「わ」

4拍めと次の1拍めのあいだ。ここも音切り。


というようにシンコペーションで軽く音を切ることによるアクセントが全面に敷き詰められている。この点がこの曲の淡々とした中のアクセントになっている。


そしてこの軽い破裂のように切る音がアサヒとミカでぴーーーーったりなのだ。

曲のポイントをうまく利用した技術だ。


いや、このコンビはホントに素晴らしい。

"息がピッタリ"とはまさにこのこと。

ずっと聴いていたい。


それにしてもミカは「WONDER LOVER」や「Rolling Rolling Rolling」ではあんなにダークでクセがものすごく強い歌い方だったのにこの曲では泣けるほどピュアピュアだ。

どんだけ器用なのか? 



その他にも、お!と思った箇所はある。

Bメロ ♪青く広いこ「のー」そーらー 

の「のー」がうま過ぎる。抜き方とかすかなビブラート! 

音量を抑えた低音域を抜くのは難しいと前々から言っている。 だがミカはこの辺り、うまい。


サビ 

振り向いてくれなくても(か、ミ、ア)

の後のWoWoのバックコーラス(M、結、m)が良い。特にmiyouはリードを引き立てる声。

待つわ のように可憐な曲にmiyouの声はどうなの?と思ったがバックコーラスで良さを発揮してくれている。


あと、サビ後半の♪待つ「わー」 待つわー

と追っかけるところ、アサヒが「わー」で"しゃくる"場面。なぜ唐突にしゃくったのか?

ここは謎だ。(どうでもいい話💦)


サビのラスト ふられる日「までー」

でそれまでハモっていたのがここでユニゾンに合流する感じ、いいよね。ここも美しいユニゾンだ。





▪️白日

オクターブユニゾンとハモりが交差する。

しかも高音域が多くて非常ーーに難しい曲だ。


出だし

時には誰かを…  MAYU

傷つけてしまった…  かれん

ここ、MAYUはずいぶん固くなってコケた笑笑

しかし、かれんがリードになるとMAYUはうまーくオクターブ下に回るあたり、さすがだ。


失ったりして初めて結海

犯した罪を知る… ミカ

結海、声が太っっっ。 心にズシっとくる。

ミカリードの「をー知るー」の箇所のMAYUハモり、強弱のつけ方や終わり方が絶妙。

いかにもMAYUらしい。さすがハモりのプロだ。


戻れないよ… 

 煌めいて見えたとしても…  アサヒ

アサヒ!小音量のコントロール、表情のつけ方が絶妙だ。

高音の伸びと共に、この辺りがアサヒの成長したところだと思う。


明日へと歩き… miyou


 雪が降りしきろうとも のハーモニー。

 主音のmiyouはマイナーのメロディ。これに対して結海がメジャーのメロディでハモるので何とも不思議で切ない空気感が広がっている。


サビ

今の僕には何ができるの…  ミカ

ここでもミカはまた違う一面を見せている。シリアスなミカだ。

言ってらんないよな は凄みたっぷりだ。


そしてこのサビのオクターブがえげつない。

今の僕には… でオクターブ下はMAYU

で、いきなり ♪生きるなら でかれんがオクターブ上に参加! 

下だの上だの、どうなってんのー?

笑うしかない。

ちなみにこの ♪生きる「なー」ら の「なー」の音階はF5(hi F)だが、さすがにファルセットかな。


どこかの街でまた出会えたら… かれん

ここもオクターブ下はMAYUか?

で、かれん様♪春風が吹くーだ「ろー」の高音!

このE♭5は地声っぽい気もするが、やはりミックスボイスだろうな。うまいねえ。


まっさらに生まれ変わって… miyou

miyouもガナリで気合いを入れている。


へばりついて離れない 地続きの今を歩いていくんだ

ココのmiyou、超難しいなー。

5度の高低差を裏声と地声で行き来する連続技は過酷だー。 喉を酷使する。

しかも上ハモはまたまたかれん?

さっきの渾身の高音で疲れているだろうに。

(それともここはアサヒが助けているか?)


ちなみにここのバックコーラスがまた複雑なことやってくれてるよ。 表で過酷、裏でも過酷だ。


真っ白に全てさようなら

そしてまたかれんリードかあ。過酷。


全てをつつみこんでくれ 今日だけは全てを隠してくれ

ここもかれんだが、先程のmiyou同様に超難関。

5度の高低差を裏声と地声でしかもこれだけ疲れた後に、だ。 


さ、ら、に… 

ラストの♪隠してく「れー」は

またまたF5(hi F)の超高音ではないか

しかもここのコーラス、最高のハーモニー。


かれん、神説。

お、お、おつかれん!


ここでメドレーは終了ーー。

矢吹ジョーではないが、真っ白に燃え尽きた感。

こんな難曲、選んだりして😢




ダラダラと思いつくままに感想を書いてきた。

はあ、書いてるこっちも疲れた。


さて、初めにも書いたが、この番組でのリトグリの立ち位置が良い。

"最後は任せたよ、ハモりと言えばリトグリ"

ということだろう。


日本にはもっとハーモニーに寄せたグループもある。アカペラ専門グループがその最たるものだし、ゴスペラーズさんもそれに少し近いかもしれない。


一方リトグリは楽器伴奏の上にボーカル&ハーモニーを乗せるグループであり、時として個の単独ボーカルを前面に押し出す。

そして、その中で大きな武器としてアカペラも(相当うまく)やる、という絶妙な立ち位置だと考えている。

一般的なボーカル組からもアカペラ専門グループからも近寄れる。


Mステという"万人"が視聴する番組で取り上げるハモりソングだからこそリトグリのスタイルは重要なのだろう……と勝手に思う。


このスタイル、他にはあまり見当たらないからこそ、私も好きになったのかなあ。


そしてこの立ち位置は、卒業したメンバーを含めた「全リトグリ」が、脈々と築いてきた大切な立ち位置だ。

これからも大事にして欲しい。