Waves (With ensemble ver.)



リトグリが"With ensemble"で何とあの「Waves」のアコースティックバージョンを公開した。


先日公開した「WONDER LOVERWith ensembleの第2弾だ。


ん? そもそもWith ensembleって何?

今更ながらググったら、

「アーティストとオーケストラのコラボレーションでアーティストの新たな一面を届けるYouTubeコンテンツ」とある。

なるほど…  実にありがたい企画だ。



伴奏楽器は、バイオリン1、バイオリン2、ヴィオラ、チェロ 弦楽四重奏にピアノを加えた構成となっている。

(昔むかしに聴いた上田知華+KARYOBINを思い出した。個性的で大好きだった)


この際だからもう少し調べた。

ヴィオラはバイオリンと同様に顎に挟んで演奏する。バイオリンより5度下げた低音をだす必要からボディが大きくなっていて特に厚みが増している、とのこと。


チェロは、オーケストラによる合奏や弦楽四重奏、五重奏といった重奏の中では低音部を受け持つ。(最低音部はコントラバスが受けもつ)

低音を出すためボディはさらに大きくなっており顎に挟んで保持できないため、エンドピンを床に立てて演奏する、ということらしい。

ふむふむ。



で、聴いてみた。

いやいや、素晴らしい演奏だった。

4つの弦楽器が、単純に3度や5度の和音だけでなく、いわゆるテンションがガンガン入ったハーモニーを奏でたり、リズムもなめらかだったり細かく16ビートを刻んでみたり。


ちなみに前回の「WONDER LOVER」ではタンバリン?のようなパーカッションがリズムを刻んだが、この「Waves」では打楽器は一切ない。

だからピアノと弦楽器だけでリズムを作り上げなくてはならない。

さらにはその作り上げたリズムや強弱によって曲に表情をつけ見事に感情を表現している。


カッコいいスリリングな展開の演奏には惜しみなく拍手をおくりたい。


その上でリトグリへの感想。


<イントロ>

いきなり最初の弦楽器の音からテンションだ。

半音がぶつかる濁ったハーモニーで荘厳な怪しげな空気。



<1Aメロ>

I see you in …   MAYU

Lost in you…   かれん


いつもよりスローなテンポでMAYUが最初のリードを取り始める。

Wavesの始まりは誰が何と言おうとMAYU様だ。

小悪魔のような、冷徹な声。カッコいい。

このパート最後のビブラートにゾッとする。


続くかれん、相変わらず低音域では息を混ぜないように封じ込めた声100%の歌い方。かれんらしい。



<1Bメロ>

run for your life…     全 

They're coming …    かれん 


run」の1拍めにわずかにハモがずれるがすぐに立ち直る。

かれん、Aメロの低音域から連続でいきなり音階を上げてのハモ、すごっっ。音量も即座に調節しているのか?

で、またすぐさまギアを上げて高音のリードで声を張る。13役、一騎当千。

さすが我らがかれん様。 これは拍手。


ちなみにここで言う高音のリードとは

We can't afford to wait

の「We」の箇所でE5()かな。

この曲の地声での最高音(ホイッスルボイスのフェイクを除く)だ。

音域モンスターであるかれんはもう少し上もイケるはずではあるが。



<1サビ>

 we don't have to be afraid… 全  


全員でのハモはさすがに厚くて迫力がある。

ん?今更ではあるが、これはユニゾンだったのか。 だから迫力があるのだ。

MAYU&miyouはオク下ユニゾン、あとはかれんと同じユニゾン?地声とファルセットで。


また弦楽器の8ビートの♪シラシラという上下繰り返しが、何者かが迫ってくるようなスリリングな空気を作ってくれている。



<2Aメロ>

Eyes bright   … ミカ、miyou

Black skies …   結海、アサヒ


miyouの発音の"ノリ"はやはり良い。

…twilight time want辺りの発音もカッコイイし、11語のビブラートがとてもキレイ。

twilight のところでこぶしを素早く回しているあたり、歌うこと自体に慣れているように感じる。


また、♪wait another day の流れがスムーズ過ぎて驚いた。

waitanother day という具合にtaを一緒にし、さらに「タ」でなく「ラ」と発音することにより"つまり感"をうまく消している。


miyouのハスキー声に続く結海の"息ノーブレンド"のクリアな声はまた対照的で面白い。

結海の、この密度の濃い声は刺さる。


ここの演奏、チェロが低音でいい味を出している。


<2Bメロ>

run for your life…     全 

They're coming…    miyou


run for… MAYUのハモリは味があるなあ。

メロディ、音量コントロール、ともに決して易しいハモリではないがMAYUにとってはお手のもの。絶品だ。


後半の盛り上げは今度はmiyou

ちょっと荒削りだが、声の魔力が勝つ。自分の声の特長がわかっている張り方だ。



<2サビ>

we don't have to be afraid…   全 

Going up against the waves…4人?


2回同じメロディをくり返す(歌詞は違う)のだが、

映像では、1回目の♪we don't have は全員でハモり、2回目の♪Going up… ではアサヒとmiyouが歌ってないように見える。

この狙いは何なのか? うーん、不明

どなたか教えて欲しい。


<間奏>    


間奏の2人のバイオリンがすごっ。

1人目の方、16ビートで細かくリズムを刻んでの激しい弾き方はこの映像の中での見どころ。

2人目の方、これを受け継いで今度は少し滑らかに、しかし情熱的に弾いている。リズムは難しく最後は23連のリズムのメロディでmiyouのリードへと受け渡している。


< Cメロ?>

You're the air…   miyou

You're the blood… かれん

I am you your…  アサヒ


ここのmiyouの出だしはバイオリンとの連携が必要でリズムが難しいが、何とか合わせている。


アサヒの♪I am you your are meヒヒヒヒ」   のところは声が太くて驚いた。こんな声を出せるんだねー。


<落ちサビ〜ラストサビ>

We don't have to… かれん

   ここで結海フェーーイク!

We don't have to… 


ほーーーー。結海さん!

フェイクの出だし♪can't afford こそ普通だが、

後半♪to wait  Aa a a a〜 の部分、素晴らしい。♪wait D5()あたりから曲線でゆっくりとE()まで上げけくる迫力!

まず、声の張りと艶と強さに圧倒される。

爆発力がある。

そして高さもこの曲の地声の最高音を完全に上がり切って出している。

これは何度も観たくなる、聴きたくなる。


曲のクライマックスでもあるこのフェイクを結海に任せたのは大きい。


MONRTER AUDITIONでは2組に分かれてWavesを歌い、このフェイクはミカと丸目さんがそれぞれ担当した。

さらにEPFanfare」収録のライブ映像ではアサヒがこのフェイクを担当している。


で、ここに来ての結海だ。

結海は確かに、そして早い速度で成長しているのだろう。 

芹奈とはまた違った魂のフェイクだ。

芹奈を尊敬する私も結海のこのフェイクを応援していきたい。

(ん?このライブツアーでは誰がやるのか?ミカ?アサヒ?結海?)



話を進行させよう。

サビでは弦楽器がまた良い。

アサヒの meヒヒヒヒが終わり、かれんリードの落ちサビから16ビートを刻む。空気はスリル満点だ。1サビでは8ビート、2サビ&ラストサビは16ビートというリズムの付け方。うまく表情がついていて素晴らしい。



<ending>        

チェロの低音が荘厳に響く中、miyouのホイッスルボイス。

このファルセットにおいてmiyouはか細いけれどかなり高音まで出せている。

あのSeasons of Love のラストのmanakaファルセットと同じ高さのC6(hihiC)まで出している。



そして最後にサビ部分を1度繰り返してこの曲は静かに幕を閉じる。



はーー。

弦楽器とピアノの伴奏だと、崇高というのか、何か"尊いものを観た"感じになる。



WONDER LOVER」も見終わって思わず唸ったが、まあ、この「Waves」はまた見事な芸術作品だ。



このような鮮烈な芸術作品映像を無料で提供していただき、感謝感謝です。

With ensembleさん、ありがとうございます。



それにしても余韻がすごい