WONDER LOVER



ついにWONDER LOVERが公開された。



「ダンサブルなK-POP的な文脈のビートとリトグリならではのハーモニーが融合した新しいJ-POPの形を提示するリードナンバー」

という公式の紹介だった。

私はこの文章通りであることを期待した。


確かに宣伝用のわずかなフレーズを聴く限り、K-POP的でいかにも "カッコいいのはわかっていた。

気になっていたのは、どれだけリトグリ流のハーモニーが活かされているか、だった。


ただ韓流に寄せたものなら、すでに日本でも多数のグループがダンスを含めた楽曲としてトライしている。

リトグリがやるなら、この紹介文の通りハーモニーを活かすしかないのだ。



そういう気持ちを持って聴いてみた。



---ぶっ飛んだ。  



ハーモニーが凄まじい。

これはリトグリしかできん🙇‍♂️


ハーモニーの難易度が半端でないのだ。

ピュアな和音、例えば主旋律の3度上とか3度下、5度下とかをハモるそしてたまに濁った音を加えてのテンションで味付け……    これが普通だ。


しかしこの曲は濁りや緊張感のある音をバシバシに加えたテンション入りの和音が全面に敷き詰められている。

スリリング感のあるコーラスの連続だ。


いやあー、よくモノにしたなあ、ジュニア組!


前置きが長くなったが以下、ブロックごとの感想。 (リードボーカルと◯の数字は小節数)


1番>

▪️イントロ

バイオリン?弦楽器に乗せたハーモニーから始まる。クレッシェンド(だんだん強くで表情をつけている。


▪️Aメロ

まぶしい予感が…  MAYU 

強め赤lipsミカ④

ゆれるピアスと… 結海④


MAYUのオクターブ上をファルセットでハモっているのはかれん? 

ミカ、結海は完全に曲に合わせたノリの発音と歌い方。艶ツヤで見事に色っぽい。


▪️Bメロ

誰も知らない私をかれん④

変わらない毎日アサヒ④

この辺りからコーラスにテンションが静かに入ってくる。 

変わらない毎日に「もsay good bye」のコーラス、もうこの時点ですでにすごい。


*注

Aメロのミカ④と結海④はBメロに分けても良い。その場合はBメロと書いてあるところがCメロとなるのかも



▪️サビ1

I wanna be your …miyou 

もう待てない… 結海②


miyou! まあカッコいい。

声がいい、英語発音が抜群、独特のノリは最高。

結海も相変わらず太めの芯のある声がいい。


そしてこのサビのコーラス!

聴きました?

カッコ良すぎて、私のポンコツ耳では音階がわからない。

I wanna be …WONDER LOVER

②いま奇跡まで3, 2,  1(one)

③心が騒ぐRainbnw colors

では主メロの音階はどれも同じ。だからハモも3つとも同じと思いきや、違った。

「」の箇所のハモが①と③は同じ和音、②の「1(one)」だけが違うのだ。 

はあ〜 オシャレ。



▪️サビ2

Imma WONDER …MAYU

もう待てないかれん②


MAYUのちょっと悪ノリチックな歌い方がいい。

MAYUパートのコードはサビ1miyouのパートと同じなのだが、主メロの音階が違うところがまた面白い。

サビ1は♪ミシラーラララーラララーシ♪だが

サビ2は♪レレレーレレレーレレレミ♪だ。

伴奏するとこの二つは同じコードだが、そのコードを構成する別の音を用いている。

(文章での説明は限界あり難しい、すみません)

こういうアプローチも面白い。

そして音階が低い方をMAYUに当てたのは大正解だろう。音域と悪ノリな歌い方がMAYUにとてもマッチしている。


ここのコーラスは半音感がいい。半音の上げ下げを繰り返している。

また、♪負けない逃げないラストのところもベースが半音ずつ上がってオシャレ。 


この半音の動きがハーモニーにもコーラスにも随所に出てきており、これが見事にスリリングさを生み出している。



2番>

▪️Aメロというかラップ

秘密のHand sign…miyou  

Yea let's just keep…かれん④


miyou、またまたカッコいい。

この人は英語良し、ラップ良し、ボイパ良し

いや、英語だけではなく日本語の発音も独特のノリがあってカッコいいのだ。

このノリはなんと表現してよいのか。

かれんがリズムモンスターならmiyouはグルーヴモンスターとでも呼ぶか。

いや、ホント。尋常じゃないよ。


そしてmiyouのラップを引き継いだかれんの歌もグルーヴ感がすご過ぎ! もう水を得た魚。

miyouのハスキーな息たっぷりブレンドの声に対してかれんのハリと艶のある息0%の声は対照的で面白い。

リトグリの両サイドはいつの時代も破壊力抜群なのだ。

この2番ラップ〜歌はとにかく抜群にカッコいい。

それしかない笑笑


▪️Bメロ

ヒリヒリと傷つくアサヒ④

それさえも楽しんで…miyou


アサヒのパートはメロディがややこしい上にクレッシェンド(だんだん大きく)もあり地味だが難しい。

miyouはスローになるとピッチがわずかにズレることもあるが天性のカッコいい声で弱みを吹き飛ばしている。


▪️サビ1

I wanna be your …ミカ⑥

もう待てない… 結海②


ミカ!スゲー。

miyouに負けないカッコ良さだ。

英語の発音も抜群にカッコいい。男前のミカだ。

 *ハーモニーは1番と同じにつき省略


▪️サビ2

Imma WONDER …かれん⑥

もう待てないアサヒ②


いやいや、かれんさん。遊んでるねー笑笑

これくらいなりきった方が良い。

アサヒのハリのある正確な高音も見逃せない。


▪️Cメロ

すべては変わり…miyou


「変わり」で一旦きーはB♭に転調。


ここは起承転結の「転」に当たるパート。

曲によっては「転」が激しいこともあるし、このように穏やかに落とすこともある。

そしてどちらの場合も旧体制なら芹奈が任されることが多かった。

スローなパートだが敢えてのmiyouか。


miyouの声は気怠い空気にもマッチしている。

(この感じはオーディションでも聴いた)


新しい世界won't you dive? 


ここでキーはB♭からGへ、そしてその親戚のEmに戻るというオシャレな展開。


そしてここのハーモニー!

聴きました? 

テンションの嵐。

まさにリトグリしかできん。


と、

 そこにミカの♪I wanna be という色っぽくもあり子どもっぽくもあるフレーズ。


ミカは正確なピッチで笑顔で歌う以外にももっといろんな面を持っているのかもしれない。

カッコいいミカ、色っぽいミカ… 

きっとロックなミカもジャズなミカも何なら演歌のミカもイケそうだ。 奥が深い。




そして曲はいよいよクライマックスを迎える。


▪️サビ1

I wanna be your …かれん強め⑥

もう待てない… アサヒ②


▪️サビ2

Imma WONDER …MAYU

もう待てない全②


スリリングながらも爽快なクライマックスだ。

リード、ハーモニー、そしてフェイク!

いろんなメンバーの粋なフェイクで盛り上げてエンドとなる。



この曲はハーモニーが凄まじいのだが、リードボーカルなどで "個の力もよく発揮されている。

特にミカとmiyouには感心するばかり。


リトグリの新しい魅力がどんどん見えてきた。

ちょうどリリースが1週間後にせまったFanfareは期待せずにはいられない。


このWONDER LOVERは宣伝効果として大きな力を発揮するのでEPリリースの前に披露するのは理解する。

まあ、Wavesのようにアルバムを聴いて初めてぶったまげるのもよかったなあ、と贅沢を言ってみたり…  



"リトグリ流ハーモニーK-POP"


リトグリは超絶カッコいい飛び道具のような曲を手に入れたのではないか。