Your Name (full ver.)
アニメ「ヴァニタスの手記」のオープニングテーマ「Your Name」が2/16に先行配信された。
もちろんフルバージョンである。
1/18のブログでは単純に「Your Name」という表題で書いたが、今更ではあるが、これは正しくは「Your Nameテレビバージョン」または「TVサイズ」であった。
大変失礼しました。
そして今回のブログが「Your Nameフルバージョン」。
フルで聴いてみると、想像とは構成が少し違った。
1/18ブログでは私は以下のように書いた。
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テレビで公表された1番の構成は以下と思われる。
<1番構成>
キーはDm。少なくとも1番では転調なし。
Aメロ:♪たゆまないでって〜
Bメロ:♪そのひとみ〜
サビ : ♪願うことより〜
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ところがフルバージョンを聴いてみると、どうもこの構成は当てはまらないようだ。
もはやAメロ、Bメロという割り付けは意味もないとは思うが、自分の理解や整理のため(だけ)に、勝手に以下に割り付けてみる。
■構成
Aメロ ♪弛まないでって〜
♪希望へ耳すます まで
サビ ♪願うことより〜
♪それくらいのことかもしれない まで
Bメロ ♪信じるとき〜
♪探し続けている まで
サビ ♪足りないものより〜
♪その涙を その為にあった まで
Cメロ ♪どんな言葉より重ねた〜
♪your name まで
落ちサビ&サビ
♪願うことより〜
ラストまで
1番と2番はほぼ同じメロディである、というような私が持っている古い常識は通じない。
もっと言うと1番とか2番とかいう概念自体が古い
のだと思う。
Aメロとサビで1番。
Bメロとサビで2番。
ではないのだ。おそらく。
この曲のAメロとBメロではメロディラインもコード進行も全く違う。
だから1番も2番もなく、全体を通してひとつの曲なのだ。
今回は主にBメロ以降について述べたい。
Bメロ
♪信じるとき〜 MA ④
♪あの日枯らした〜 ma ④
♪それでも〜 か④
♪どうしたって〜 ア④
4人が4小節ずつリードを回す。
出だし、MAYUがいい。音域が合っているので安定感があり、枯れた声がいい個性をだしている。
次のmanakaはMAYUとは好対照で、声の密度が濃い。♪花び「らー」の箇所などは特にそう。
素晴らしい。
かれん、アサヒは安定感。
皆さまもお気づきと思うが、このBメロでは4人とも語尾でしゃくっている。
文字で韻を踏むのでなく、しゃくりという歌い方で韻を踏んでいるのか。
しゃくりとは
ある音階から次のより高い音階への上がり方の話だ。
線で言うと階段状に上がるのでなく、リニアな曲線で上がっていく。
その上がるカーブの角度が4人4様で面白い。
直線的と思っていたMAYUが一番曲線を意識してしゃくり上げているように感じる。
余談だが、
しゃくりはポルタメント、グリッサンドなどと言われるらしい。
グリッサンドは例えばピアノのように音階と音階の節目がハッキリしている場合に用い、ポルタメントは例えばトロンボーンのように音階と音階の節目が無い場合に用いる、という説もある。
このように声でしゃくり上げる場合はポルタメントなのだろうか?
(この辺、詳しくないです)
このBメロの切ないメロディは何か昭和歌謡のような懐かしい感じもしてこの曲の中では一番好きかも。
次のサビ
芹ーアーmaーか の順番でリードを回す。
芹奈、アサヒは4小節ずつ、manaka、かれんは5小節ずつ。
Cメロ
MAYU 6小節。
高過ぎず低過ぎず、ここもMAYUにとっていい音域だ。最後の ♪name がいい。ネーで声を伸ばしてからの ム がいい。
落ちサビ&サビ
かれんの落ちサビ。
力を抜きながらも芯の通った歌声はかれんの持ち味。
そして、このサビの芹奈が良い。4小節のうち
後半のたった2小節の高音にこめた情感はさすがだ。 ♪何があるのだろう の箇所だ。
素晴らしい。
全体を通して、5人とも非常に質の高い歌唱。
個々のボーカルが光る一曲かもしれない。
派手に高音を出すわけでもなく、元気な応援歌でもなく、分厚いハーモニーが目立つわけでもない。
抑えた歌声の中に静かな強い意志を感じさせる不思議な曲だ。
この曲の題名になる言葉は
MAYUがリードを取るフレーズにある。
"どんな言葉より重ねた
愛しい君を象るyour name" 。
どんな美しい言葉で君を語るよりも、
君の名前を呼ぶことが一番君のことを表現し、君を感じることができる…
そう言うことだろうか。
愛すること と 君の名を呼ぶ ことが等価に書かれてある。
なるほど、と好きな人の名前をつぶやいてみる今宵でした。