REUNION



休養していた芹奈がついに復帰、5人での新曲が本日6/23に配信にてリリースされた。


その名もREUNION

再びの集結だ。


これは何という世界だ。 

これまでも切ない曲はあったが、この曲はちょっと違う。

切ない、とかでは済まされない異次元の世界だ。


浮遊感。 祈り。 とでも言うのか。



事前に高井息吹さんの曲というお知らせがあった。

彼女のライブは何かの動画で見た記憶がある。

独特の世界観があり、その時私は、正直、うまく飲み込めなかったことを覚えている。



だから、REUNIONリリースのニュースを聞いたときに2つのことを考えた。


ひとつ目は、このような浮遊感と不安定な世界観をメンバーは表現できるのか?


そして2つ目は、むしろこちらの方が心配が大きいのだが、私自身がこの世界についていけるのか?

つまり、この曲を好きになれるのか?


ということだった。


で、ついにREUNIONを聴いた。



1つ目は、リトグリだもの、結局やってくれた。

さすが芹奈だった。

何かに取り憑かれたようにすーっと楽曲に溶け込んでくれた。 CHARAさん作のFeel Meを歌う時の芹奈を何倍も濃くした感じかな。

かれんもさすがだし、感情派のアサヒもいい味をだしている。


2つ目

ハッキリ言うと、高井息吹さんの動画を見る限り私には難しい世界だったが、REUNIONは少し違った感じを受けた。

かなり一般的なポップス系に寄せて作られていた。それでも明らかに高井さんの世界だが、何とか、何とか、受け入れるギリギリのところまで寄せてきてくれた、と感じている。

これなら、かろうじて聴けそうだ。

これから好きになれるのだろうか?答えはまだない。


以下、いつものように感想を述べる。




イントロ

Ah〜なのか、Ha〜なのか、音階が重なっていき

ハーモニーを作っていく。C♯系のハーモニー


わかりやすくキーC(ハ長調)で言うと

ドーミーソーシーレー と音が重なっていく。


「ドミソシ」までがCM7(Cメジャー7)、ここに9度の「レ」が加わってCM7(9)となる。

Cメジャーセブンス・ナインスという和音(コード)


最後のレが和音をうまく濁してくれており、これから始まる世界観を予言しているかのよう。


(ご注意)

上述はわかりやすくCで解説しただけであって

実際の音階はそれぞれこの半音上の

  ♯ ーファーソードーレ♯ である。

そして実際のコード名で言うとC♯M7(9)  



はじめのピアノの和音がそもそもC♯M7(9)の響きを持っており、そこにハーモニーが重なってそのピアノの響きと段々と合っていき、最後のレで響きがピタっと合う形。 不思議だ。




■Aメロ

  止まらない時間に逆らって〜 16小節    芹奈


冒頭のコードがC♯(D♭)系だったのでキーはC♯(D♭)とおもいきや、実はキーはA♭である。

な、何だ??

もうこの辺から少し不思議な世界がはじまる。



それにしても芹奈の表現力はどうだ。

いきなり全開。フワフワとした、どこか危ない雰囲気を見事に醸し出している。


この世界を表現するために、わざとピッチをわずかだがずらしたり(ずらすと言うよりはピッチを気にしないで自由に歌うあたり天才的としか言いようがない。


開いた口がふさがらない。 

やはり芹奈は芹奈だった。



■Bメロ

 正解なんて君ひとりで〜       8小節  かれん


全体の統一感としてかれんも芹奈のカタチを受入れ、受け継ぎ、同じ体温で歌っている。

何という柔らかさだ。

それでも時折り顔を出すかれんらしい芯の通った歌い方に思わず納得する。

芹奈と違い、ピッチやリズムはキッチリと守っている辺りがいかにもかれんだ。

これはこれでよいなあ。



サビ

あれからずっと〜  8小節  芹奈

夢じゃないんだよ  8小節  アサヒ


芹奈は相変わらず凄いが、ここでアサヒ!

感情を込めた時のアサヒの伏せ目がちの切ない表情が目に浮かぶ歌声だ。


裏声と地声の切り替えが非常に難しいフレーズだ。音域もそうだし、音階の高低差の激しさも合わさってとても高度なテクニックを要するパートだと思うが、さすがアサヒ、完璧にこなしている。


ここでのアサヒは、

芹奈のように開放的に、成り切って表現するタイプではなく、あくまでも与えられた領域をしっかりと完璧に守り切るタイプかもしれない。

それにしても素晴らしい。



■Cメロ

僕らが目にしたもの〜     10小節   芹奈


芹奈の凄み。もはや手がつけられない。


目にしたもの〜 

ここのハイトーン

裏声でなく、息をブレンドしない様に地声を平坦につぶした声(伝わるか? 

ビブラートを敢えて抑えて、その平坦な声を延ばす歌い方!  


""の道で言うと、字体を自由に変えてテーマを描き切った、とでも言うのか

とにかく凄い。



このパートの最後、10小説目でキーを半音上げる転調がなされている。

キーA♭からAへの転調だ。



落ちサビ

あれからずっと〜          8小節 芹奈


ここも芹奈だ。普通ならここでリードを他のメンバーに切り替えるところ。

だが納得だ。おそらくこの落ちサビは芹奈しかいないと思う。


いきなり泣きそうな声。時折見せるか細いビブラート。絶品だ。


ずっと見つめてたんだよ〜 の中にいつもの芹奈らしいブレスや発声も見え隠れして少し安心したりする。



サビ

僕らはきっと〜  12小節  かれん


高い音域がずっと続く。

止まらない時間のさ「き」で〜

の「き」はこの曲中の最高音だと思うが、ここを含むこのパートは、裏声か地声か、その境い目のところの音域なのでかなり難しい。

かれんだからこそ歌いきれるパートだ。



ラストはコーラスも重なって重厚な中でプツリと音が途絶えて無線のようなノイズが聴こえてこの曲は幕を閉じる。




どうなのだろう。

どのように世間に受け入れられるのか?

芹奈の復帰作品としてはもう少しキャッチーな曲でもよかった気がする。


6/9に 君といれば をリリースしたばかりなので

カップリングとしての扱いなのかもしれない。





どんどん新しいことにチャレンジして幅を広げていくリトグリ。頼もしくもあるが、ついていくのも大変だ。



私も感性を若く保たなくては!