花(カバー) 、変幻自在
3月、リトグリは数多くのテレビに出演した。
オリジナル曲では季節柄、青春フォトグラフ、好きだ。VIVAを歌っていた。
カバー曲では
「花」(ORANGE RANGE)をThe Coversで、
「春よ、来い」(松任谷由実)をCDTVライブライブで
それぞれ演じた。
放送日から随分と日にちが経ってしまったが、
カバー曲、特に花について詳しく感想を述べたい。
「春よ、来い」の出来栄えは(私的には)今ひとつだったように思う。
リトグリならもっとできるだろう、という少し歯がゆい思い。
ー音量の出せない歌ー
過去にも何度か触れているとは思うが、音量をパーンと出せない歌はリトグリにとってまだまだ課題であるように思う。
ピッチが不安定だ。
今回はメンバー全員が不安定だった。
この曲を歌うのに芹奈を欠いたのはあまりにも大きかった。ピッチの安定という意味でも情感を込めた表現という意味でも。
もしかして音響も影響しているのか?
CDTVライブライブとは相性が悪いのか?
一人一人のマイクからミキサーに直接繋がっているような…
スピーカーを通したライブ音が不足しているような…
LINE録音的な…
ピッチのズレがもろに聴こえてくるような…
そういう音響だ。
私はこのあたり素人であり、いつもうまく説明できないのは大変申し訳ない。
一方、「花」はよかった。
さすがthe Coversだ。フルコーラスだったよ、ありがとう!
元々、曲が良い。
勝手に種類分けをするとすれば、"メロディアス・ラップ"とでもいうのであろうか、爽やかで甘酸っぱいサビのメロディと音階のあるラップがうまく融合されている。
この曲は、今の4人のリトグリをうまく活かせた成功例であるように思う。 私なりにパートごとに解説していきたい。
一見シンプルなように見えるが、ハモの組み合わせが実に複雑なので、ついてきていただきたい。
まず、キー。
原曲キーのCに対しリトグリはキーをFに上げてきた。
そりゃそうだ。男性用のキーではAメロのラップは音域が低めで、女性がある程度ボリュームを出して歌うにはちょっと辛い。
[落ちサビ] アサヒリード
花びらのように〜
〜花になろう
ほう、この歌は落ちサビから入るのね。
アサヒの丁寧なリードに3度上ハモがmanaka。
いわゆる アサまな😍 の世界が広がる。
この二人のコンビネーションはいつも良い。
キレイなハーモニーだ。
1番[Aメロ] かれんリード
いつまでもあるのだろうか 〜
〜また新しい軌跡を生むだろう
ラップには、音階が付いていて歌うように話すラップと 音階を意識せずに語り口調のラップがある。(少なくとも私はそのように感じている)
この「花」は前者だ。
ここのAメロのラップはキーFの場合、ずーーっとシ♭(B♭)の音階だ。キーCの場合はソ(G)だ。
音階が動くからピッチがズレたりするのだが、ずっと同じ音階だとピッチもズレにくい。
だから今のリトグリにはよい。
しかしかれんのラップは体ごとリズムにキッチリ乗って発音もキッチリしている。
これだけ言葉が詰まってしかも長いフレーズだとブレスが難しいが、そこはさすがかれん様だ、
何なくこなしている。
"感謝しよう" や"生むだろう" の "う" の発音が良く本当の"う"だ。 これもかれんらしい。
[Bメロ] (というのか?)
愛することで強くなること〜
〜進む道程
MAYUリードだ。
BメロのラップはキーFの場合、基本、ファ(F)の音階だ。キー音だ。 (キーCの場合にはド)
Aメロと違ってはじめの♪xxxxこと♪という箇所だけは音階が付いているが後半はずっと同じ音階のファだ。
ORANGE RANGEの原曲だとAメロのソから下に降りたドで歌っているが、MAYUは上のド(実際はキーFだからファ)を選択した。オクターブ下のファだとMAYUには低いのか。出せるには出せるがボリュームが出ない音域だろう。
それにしてもMAYUが効いている。いい。
これはMAYUのうまい活かし方かもしれない。
さらに、そこにアサヒの3度上ハモがキレイに乗ってくる。
アサMAYUの年中さんコンビ😍だ。
じつに良い。
[サビ前半]
※花びらのように〜
〜あなたに逢いたい※
manakaリード。かれんの3度上ハモ。
(はじめはMAYUも上ハモに加わっている)
かれmanaコンビ😍だ。あまり言い慣れないコンビ名だが、この二人のコンビもこれまでいろんな名曲でハモってきた。
[サビ後半]
△花びらのように〜
〜花になろう△
アサヒリードに3度上ハモは引き続きかれん。
かれアサコンビ😍だ。これもあまり言い慣れないが、安定度の非常に高い名コンビだ。
と思ったらこのパートのなかの後半はまたアサmanaコンビ😍を使ってきた。
[間奏]
たった4小節であるが、この短い空間に最高のハーモニーを組み入れてきたよ。
♪ha~a〜a~a~ A~パラッパッパッ♪
というコーラスだ。少し濁りを入れた和音がオシャレ。いかにもリトグリらしい。
2番[Aメロ]
花はなんで枯れるのだろう〜
〜それは運命
パート前半はmanakaリード、後半はアサヒリード。1番ではMAYUは上のファを選んだが、manaka、アサヒともに原曲と同じようにオクターブ下のファで挑んでいる。
アサヒの最後のあたりで上ハモにかれん(manakaもか?)がハモで絡んできて短期的にグッと盛り上げている。
MAYUリードにmanakaが追っかけハモのMAYU manaコンビ😍。続いてアサヒが追っかけハモのアサMAYU年中コンビ😍。そしてかれんが上ハモのかれMAYUコンビ😍。
と多彩に絡んでくる。
[落ちサビ]
(※くり返し)
MAYUリード。
ハモでグッともりあげてから、落ちサビでポンと落とす。文字通り落ちサビ。
この辺りのアレンジ、うまい! 好きです。
(△くり返し)
かれんリード。
このパートも絡みが多彩だ。
まずは3度上ハモはアサヒだ。
なんと、1番の逆だ。
1番ではアサヒリードにかれん上ハモ。
そして続いてmanakaが3度上ハモ。
仕上げはMAYU上ハモだ。
good!
[Cメロ] (というのか?)
雨上がり 虹架かり〜
〜さぁ 咲き誇れ もっと もっと もっと
ここは、最大の見せ場だ。
ハーモニーが素晴らしい。
かれんリードにMAYUが字ハモ。(一部アサヒも字ハモ)
manakaとアサヒの♪ha ha ha haというコーラス。
つまり、かれMAYUチームとアサmanaチームの競演だ。いや、素晴らしい。
この2チームが奏でるハーモニーはリトグリの大きな強みだ。
そしてこの2チームは最後の
♪もっと もっと もっと♪で合流し、キレイにひとつになる。
もうお見事!としか言いようがない。
Cメロで終わるのは珍しいが、ここを利用して
素晴らしいエンディングに仕立て上げたのはやはり圭介さんなのか?
感謝!
さて、パートごとに見てきたが、
・まずラップでピッチのズレが防がれ
・リトグリらしい、というかリトグリにしかでき
ないハーモニーのコンビネーションの多彩さが
散りばめられている。
という今のリトグリの活かし方が私的に見えた楽曲だった。
それにしてもハモ組み合わせは特筆もの。
4人のうち2人の組み合わせ、6通り全てが成立している。
(算数が苦手で…(^^;) 6通りで合ってるか?)
変幻自在ー
まさにこの言葉がぴったりと当てはまる。
そしてどの二人が来ても素晴らしいのだ。
素晴らしい。
たしかに芹奈の不在はあまりにも大きいが、
4人でもここまでのパフォーマンスを見せることができる。
こんなグループ、日本にないだろ?
いや、絶対にない。