足跡Special Medley
2020年9月 25日、26日に東京ガーデンシアターで行われた無観客ライブの模様は、Live on Demand 2020足跡 として11月29日と12月6日にWOWOWで放送された。また、ベスト盤GRADATIONの初回生産限定盤Aにそのライブが収録されたdiscが付いている。
今回はそのライブから 足跡Special Medley
について触れていきたい。
初めに説明しておくが、このメドレーは全9曲。
(最後に1曲めがもう一度繰り返される)
そのうち原曲キーの通りのキーで歌ったのは4曲。残りの5曲はキーを変えている。
キーを原曲より落としているのだ。
リトグリにしては珍しい。
カバー曲は自分たちにフィットするキーに移調することはあったが、オリジナル曲はなかった。
以下に足跡スペシャルメドレーの曲目とキーの比較を示す。
キー名は→の左側が原曲キー、右側が当Live
1.空は見ている G→F (1音落とし)
2.ECHO Em→Dm (1音落とし)
3.Baby Baby Gm→Gm (原曲通り)
4.だから、ひとりじゃないE♭→E♭ (原曲通り)
5.OVER A→A (原曲通り)
6.Go My Way A→G (1音落とし)
7.私らしく生きてみたいE♭m→E♭m(原曲通り)
8.Feel Me G→F (1音落とし)
9.ダイヤモンド A♭→G (半音落とし)
10.空は見ている G→F (1音落とし)
ご覧の通り、原曲通りのキーで歌ったのは3,4,5.7
どちらかと言うと比較的新しい曲。
1音または半音落としているのはECHO を除いて比較的古い曲。
ちなみにこのLive on Demandでは、足跡スペシャルメドレー以外の曲は全て原曲キー通りだった。
ということから考えるとキーを落とした背景は、
a.10曲メドレー 分の長丁場、声を守るために、
または体力を考えてのこと
b.変声期を経て原曲キーが辛くなった
c.6人→5人の歌割りの影響
主にaがあてはまるとは思うが、bとcの要素も少しずつあるのかもしれない。
オリジナル曲でもメドレーの場合は、前後の曲とうまく繋ぐためにわざとキーを下げたり上げたりすることはなくはなかったが、このように全体的に落とすことはなかった。
なので、少し驚いたわけだ。
(こんな事で驚くな)
さて、この長いメドレー、流れに沿って触れていこう?
■空は見ている
キーが1音下がっているので余裕を持って歌えている。
いいじゃないか。
■ECHO
ほー、そうきたか。 静かなECHO 。
熱唱する真っ赤な炎ではなく抑えに抑えた青い炎とでも言うのか。
MAYUの下ハモがよく効いている。
■Baby Baby
芹奈、かれん、MAYU の3人での歌唱。
みんなクール。
中でもMAYUがやたらとカッコいい。
下ハモもリードもイケてる。
声質が曲と合っている。
MAYUの活かし方はこうだ。
■だから、ひとりじゃない
ここからいわゆる"元気ゾーン"に入る。
前にも書いたがこの曲はなかなか難しく、出来がイマイチの時が多いのだが、これは力が抜けてて
非常に良い。manakaも安定し、全員のハーモニーにズレがない。
いつ聴いても最後のアサmanaコンビの
♪つかむんだー♪は素晴らしい。
■OVER
変な力みがなくて非常に良い。グルーヴ感。
■Go My Way
この曲は音域が高い! しかもサビだけが高い、とかではなく全般通して音域が高い。
喉には非常に厳しい曲だが、1音下げただけあって
これも非常に良い。
高い音を苦しそうに出していると聴く方も苦しくなってしまうのだが、これは安心して聴ける。
個人的に大好きな曲なのでもっと長く聴きたい。
■私らしく生きてみたい
アサヒとmanakaによる歌唱。
wow! この出だし! ダダダという伴奏はあるものの、このわずか1秒の伴奏の内に新しいキーへと脳を切り替えて
♪今胸が絶賛〜♪ と歌い始めるのは相当に難しい。
前のGo My WayがキーGなので、その親戚であるEmだったら簡単なのだが、これはキーE♭m。
この難しい出だしをmanakaが完璧にこなしている。
これはブラボー! 喉が覚えているんだろう。
というか、喉が覚えるまで練習しているのだろう。頭が下がります。ありがとう。
アサヒのロングトーン、♪笑ったー♪は素晴らしい。たー があまりにも音程が正確だしビブラートなしのストレートなのでビンビンと反響が凄い。ビンビン耳にくる。これ、倍音効果?
(ウソかも。その辺詳しくないです)
マイクの離し方もプロフェッショナルだ。
いやあ、これもありがとうごっつぁんです。
■Feel me
Jazzバージョン。
はじめは芹奈MAYU のコンビ。
MAYUの力を抜いた口ずさむようなリードが気怠い雰囲気を出していて良い。
サビのMAYU、オクターブ下のユニゾンが素晴らしい。ドスの効いた低音。これも見事にMAYU を活かし切っている。
芹奈はもちろん素晴らしい。この手のリードボーカルは芹奈の右に出るものはいない。
また、間奏のスキャット合戦は見もの。
manakaの一部、半音を効かしたスキャット、
アサヒのスキャットは正直そのもの、
そしてかれんの時、それまでフォービートだったリズムが ッパッパッパッパの裏のリズムに変わる。ベースはランニングで小気味良い。
ここに"プロかれん"のスキャットの技が光る光る。 出たリズムモンスター。
ちなみに、
座っている芹奈も裏ノリのリズムに乗っているのがわかる。ッパッパッパッパの パ と同時に手が下に行って指パッチンしているのがみて取れる。
(これ、速いリズムなので、ずっと保つのが案外難しいです。皆さんもやってみてください)
バンドのみなさんも水を得た魚のよう。みなさん、一流のテクニシャンだからJazzになると燃えるのがよくわかる。
そして我らが本間さんのサックスの誘導でリズムがフォービートにもどるところもまた面白い。
■ダイヤモンド
サンバのリズムにカラダを揺らしてもピッチがずれない、ブレない。
■空は見ている
なんといってもかアサヒのぴょんぴょんがカワイイ😍
ここまで書いてきたようにキーが下がっているので全体的に余裕がある。また力みもなくすごくいい感じに仕上がっている、というのが印象的だ。
高音をギンギンに出す若き日のリトグリとはまた違った表現だった。
ご存知だと思うが、カラオケのキー操作でいうと、1回♭を押すと半音下がる。1音というのは半音+半音なので、カラオケのキーだと2つ分下がる。
2つは効くよね。
という事で、今回は
あまり話題に登らない"メドレー"にスポットを当てて見た。
14分20秒! お疲れ様でしたー👏👏👏👏👏