Christmas a cappella medley



このメドレーに関することを少し予想も交えながらかいてきたが、いよいよCDがリリースされ本ものを聴くことができた。


テレビでJoy to the worldを披露してくれたり、メドレーの各曲の断片をSNSにアップしてくれたりしたので想定できたところは多かった。


が、意表をつくようなところもあり、なかなか楽しませていただいた。

やはり彼女たちのハーモニーは素晴らしい。


いつものようにメドレーについて触れていきたい。





きよしこの夜


クリスマスだもの。

やはり神聖なこの曲から入るよね。


出だし、静かなコーラスから始まる。

キーはA♭  


コーラスがピュアで綺麗。


ピュアなコーラスの中で

mother and child の "child"

tender and mild   "mild"

急に7th?のハモが出てきて緊張感を出すところが

ハーモニーに関する私的な聴きどころ。


あとは、なんと言っても芹奈のリードが素晴らしい。

歌うというよりは"歌い上げる" という表現の方が適しているだろうか。 神聖な歌がさらに神聖に感じられる。


芹奈のビブラートは実に良い。

リトグリはおそらくハーモニーをより綺麗に聴かせるためなのか、ビブラートをかけないように意識しているように見える。元々かけないメンバーもいるが、その中にあって芹奈はビブラートの有無を巧みに使い分ける。


そして、芹奈がここぞという時にかけるビブラートは超絶品なのだ。


この歌の最後に♪sleeping heavenly peace〜♪

の歌詞が2回繰り返されるが、1回目のクライマックスの♪peace 〜♪の箇所のビブラートはお見事としかいいようがない。


ボリュームを程々に抑えながらのロングトーンでピッチを安定させるのは本当に難しい。

そこで本能的に出てくるビブラート。 

他の箇所では抑えているのだ。 

ここだけ。ここだけのビブラート。

何十回聴いてもここは素晴らしい。


芹奈のビブラートは天才的ですらある。


さて、次の曲とのつなぎ方は




荒野の果てに


おっとーー! 繋ぎなしにいきなり次の曲に入ったね。ちょっとビックリ。


しかしうまくできている。

前曲の最後、2回目の

sleeping heavenly peace

peaceA♭の音をそのまま出すと、荒野の果てに の出だしの♪Grolia の主音になる。

これで転調完成。


Grolia  キーはD♭


Gloria in excelsis Deo  1回。

ハモが面白いように動く動く。


その後にいわゆるAメロ部分、MAYUがリードを取る。力を抜いた歌い方が心地よい。

MAYUは力を抜いた方が絶対に良い。

英語の発音もうまくなった感。


で、2回目、3回目の

Gloria in excelsis Deo があって終了


というシンプルな構成だが、3回目のコーラスが凄い。

これはクワイアなのかな? 普通のウーアーコーラスとは全く違った、いくつもの目まぐるしくランニングするメロディが交差する。

このいくつもの

ララララララララ

のコーラスによりクラシカルな雰囲気が溢れ出ている。 これまた神聖な気持ちになる。



それにしても非常に面白い。

Groliaというわずか1語の中でのハーモニーが行き交うのだ。




で、これが終わると次の曲へのつなぎがまたまた実に面白い。


ブン プンプン  ブン プンプン♪

のコーラスで一旦D♭→G♭に転調しておいて


次の

ブン プンプンプン♪

でさらに半音上げG♭→Gの転調でキーのGにたどり着く。

オシャレ〜





■We wish you a merry Christmas


キーはG      

この曲は3拍子なのでリズムがここでガラリと変わる。


アサヒが笑顔でリードを歌う。音源からでもハッキリとその笑顔が想像できる。

きっとカワイイ。


そして何よりアサヒの英語の発音がよくなっている。

merry  の が L でなくきちんと舌を巻く の発音になっている。


(この成長には舌を巻く。ナンツッテ。)


そしてかれん。 

英語の発音が素晴らしいのは言うまでもない。

Good things for Christmas 

Christmas のファルセットが鼻歌っぽくて優しくてイイ感じ。

manakaが言った"抜いてる時のかれんの歌い方が大好き" のモードだ。


あと、ブン パ パという3拍子コーラスの頭の 

ブン♪ はとても難しいが、このベース的なパートはmanakaだとおもうが、

ここはリズムとピッチの要であり、ここがブレると全体がおかしなことになるが、キチッと締めてくれている。


で、次へのつなぎ方は




■Joy to the world


おっとーー! 

出ました♪Ha---  wow

(Joy to the worldの回でも触れたところ。)


ガツンと来たねー。 ゴスペルだー。

これはいきなり感が強い、しかしインパクトのある繋ぎ。


前曲の可愛らしさが、この♪Ha--- wow !

で一気に吹き飛び、パワー全開となる。


さあ、いくよー、ラストだよー、的な。


しかし、なるほどだ。

コカコーラバージョンの時の冒頭のかれんパートをカットした理由が、ハッキリとわかった。

この繋ぎの方がインパクトがあっていさぎよい。

ここで聴いてる方は一気に目が覚める。



そこに乗ってくるmanakaの力強い凛としたリードは迫力満点。


私はこの曲のmanakaのリードが大好物で、おそらくリトグリの全曲の中でも一番manakaらしさが発揮できている曲だと思っている。


おそらく本人もこの歌は自分にマッチしていることを自覚しているのだろう、自信に満ち溢れた歌い方だ。


またコーラスも素晴らしい。

音量を一切抑えることなく、大空に向かって歌うかのような開放感と爽快感のある大コーラス。


ゴスペルのノリノリ感が圧巻。

メドレーのラストを盛大に締め括るにふさわしい曲だ。

最高の終わり方だと思う。


神聖 →  神聖 可愛らしさ 開放感


でメドレーが完結した。





それにしてもメドレーの曲と曲の繋ぎはもっと手の込んだやり方をしてくるかと勝手に予想していたが、良い意味で裏切られた。


小細工してつなげるのではなく、ありのままに4曲を続けて歌うことが正解だった。


やはりクリスマスだけに、素材を大事にしてきた。あとは歌い手の力量に任せた、って感じであろうか。


リトグリなら調が違っても声だけで転調させることが簡単にできてしまう。

まさにリトグリならではのアレンジ。


そして、このメドレーの中ではメンバー全員が強みを発揮できている。




スタッフさんには感謝したい。

去年のコカコーラバージョンを音源も無しに眠らせるのはもったいないと思っていたので収録が発表された時は嬉しかった。

おかげさまで、

クリスマスソングを十分に堪能できました。



それでは、みなさま、

Merry Christmas!