In Your Calling



リトグリ 5thアルバム収録12曲のトリを飾るのは

In Your Calling


何とも素晴らしい曲だ。


まずは歌詞はこうだ。


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地平線へと続く道

引き寄せられるように進む

遠回りしても いつか きっと...


痛みを伴う軌跡も

無駄に思えてた時間も

全て必要なんだと 知った やっと...


私の居るべき 場所にたどり着く


来たるべき大人の扉 くぐって行けば 初めて感じる世界

無邪気なままじゃいられない

寂しさ 拭って


You'll find the way e-e-e-e-e 今日も

Listen to your heart a-a-a-a-a 明日は

なりたい自分を見出す

in your calling, in your calling


恋も知らない頃見てた 奇跡や夢物語が

小さく感じる 今は もっと...


私のゆく先 指し示すように


過ぎ去りし幼き日々に 別れを告げて

初めて目にする世界

失う怖さを跳ね除け 扉の向こうへ


You'll find the way e-e-e-e-e 今日も

Listen to your heart a-a-a-a-a 明日は

なりたい自分を見出す

in your calling, in your calling


君にしかなれないキミがいるなら

僕にしかなれないボクもいるはず

特別じゃなくてもいいから きっと

You're on the road, We're on the road...


来たるべき大人の扉 くぐって行けば 初めて感じる世界

無邪気なままじゃいられない

寂しさ 拭って


You'll find the way e-e-e-e-e 今日も

Listen to your heart a-a-a-a-a 明日は

なりたい自分を見出す

in your calling, in your calling


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今までにない世界観を持っている、と感じたのだが、どうだろうか?


この曲は、これから行く道やその覚悟を示す曲だ。

これまでのリトグリは、この手の曲では、超アグレッシブであった。

夢や希望やパワー全開なキーワードがズラリと並び、また曲調も"ザ・メジャー調(長調)"だった。

無敵のキラキラソングだった。



ところが、

In Your Callingではパッと明るくなるような夢や希望が描かれてはいない。



「傷つきもがいてここまでようやく来たよ。

これは間違いではなかったはず。


ここからは、この先の大人の世界の扉を開けていこう。君の思いや願いに導かれて


そうすれば自分の行くべき道がきっと見つかるはず。

もう今までのように無邪気な子供のようにはいられない。寂しいけどねその想いは拭っていこうね」



というふうに、不安や希望や寂しさが複雑に入り混じった歌だ。

太陽のような手放しの明るさはここにはなく、

雲間からわずかに光が差す感じ。


また曲調がメジャー調ではなく、区別するとすればマイナー調(短調)になるのだろう。

サビはメジャーだし、それ以外の至る所にメジャーの要素が多いが、始まりと終わりがマイナーなので分類としてはマイナーとなるのだろう。


このマイナーな曲調がまた、明るさを尚更に阻んでいる。


しかし、曲としての出来は最高レベルだ。



曲は、ひたすら静かにピアノ1本の伴奏で1番が始まる。

Aメロは芹奈ソロではじまる。

・続くA'メロはmanakaソロ。何と大人の歌い方だ。(一音一音の強弱による表情の付け方が素晴らしい。 最後の ♪やっと  とか。)

・そして続くBメロはMAYUリードでシンセサイザーが入り、盛り上がりの予感。

・ここで盛り上がる合図のドラム

・サビ1はアサヒリード

・サビ2はかれんリード


2番は静かだがリズムやコーラスが入った状態で始まる。1番よりはアゲて来ている。

AメロはMAYUリード

(1番と違ってA'メロはない)

Bメロはアサヒリード

  ♪私の行く先 指し示すように♪

 この部分はたった4小節だがこの曲の世界観において重要な力強いフレーズ。

私の感覚だとここはmanakaだ。覚悟や道を示す箇所は決まってmanakaだった。

アサヒが強い表現をできるようになった、ということだと思う。


・サビ1は芹奈リード。情感を抑えながらのサビは

 さすがだ。

・サビ2manakaリード。a-a-a-a-aのキレの

 良さが気持ちよい。 "振り向かないで"のコー

 ラスのキレを思い出す。

・そしてCメロ。かれんと芹奈の2人が織りなす

 世界。参りました🙇‍♂️ 

 

You're  on the road, We're  on the road〜♪

 ここがこの曲のクライマックスだ!


 舞台で芹奈とかれんがアイコンタクトをとりな

 がら歌う姿が目に浮かぶ。()

  それにしてもかれんのハイトーン(最高音E♭5 )は音程のど真ん中を突く気持ち良さ。


・サビ1manakaとアサヒのコンビネーションが

 良い。

・サビ2はかれんリード。

 そして最後は芹奈の

  ♪In Your Calling〜♪  力強くもあり最後はか細いビブラートで余韻を残してくれた。

・最後は儚いピアノでさらに余韻を残して幕を閉じる。




"This is me" の雰囲気がある、というツイートを見かけた。私もそう思う。

出だしや徐々にもりあがる感じ、さらに

無邪気な〜の部分の音階が同じだからだ。


This is  meがは、これが私だ!という主張がつよい上に最後に爆発する赤い炎だ。

これに対してIn Your Callingは複雑な感情の青い炎なのかもしれない。


徐々に盛り上がる感じがたまらなく良い。しかし爆発はしない。フワーっと盛り上がってフワーっと終わる。

 

だから何回聴いても飽きない。


間違いなく名曲になると思う。

隠れた名曲なのかもしれない。


ステージの最後に歌うかもしれないなあ。