釣行日時:2023.08.19 8:00-14:00
信州遠征最終日。
新潟の県境も近い中綱湖である。
ただ、きっと朝早くはへらも寝てるだろうということで、ちょっと木崎湖を偵察してみる。
行き先は木崎湖でへらぶな釣り客を唯一受け入れている牡丹である。
話を聞くと、へらぶな釣り客はたしかに受け入れているが、もはや水棹をボート屋で用意しておらず、自分で準備して欲しいとのことである。
客側で用意してくれれば、ボート屋で預かるのは出来るらしい。
ただ、水棹用の剣なんて、どこに行けば手に入るんだろうか。
あと5mもある竹を運ぶのも素人には無理じゃないのか。
水棹が使えないとなるとアンカーのみとなるけれど、アンカーではたして乗っ込みの底釣りが出来るのだろうか。
結論として、私のような一般へら客は、木崎湖では陸っぱりでへらを狙うしかない。
ボートを利用しなくても、駐車場は500円で利用可能とのこと。
木崎湖の偵察を終え、中綱湖の地蔵前桟橋。
ちなみに中綱湖は青木湖漁協の管轄で日釣りは1000円である。
ここは18尺で底が取れるが、何尺でも釣れる釣り場である。
宙でも問題なかろうということで好きな15尺を出す。
朝9時前くらいに、今回の遠征で最大の40cmが釣れる。
餌はカクシン+コウテン+カルネバの両ダンゴである。
それ以降もポツポツ釣れるが、サイズは徐々にダウン。
ワンボウル打ち終わったところでぶらりと散歩してみる。
中綱湖の周りもゆっくり歩いて1時間半ほどで1周できる。
我が家のそばの田んぼではすっかり見かけなくなったトノサマガエル。
立派なサイズである。
中綱湖最寄りの大糸線簗場駅。
お店も何もない。
自販機を探していたのだが、中綱湖を1周してみて、自販機を一つも見つけることが出来なかった。
これはなかなか衝撃だった。
道中、ブラックバスのエサ釣りをしている人がいた。
「釣れますか?」
「さっぱりだよ。昔はたくさん釣れたんだけどね。」
「餌を食い尽くしてバスも減ったんですよ。」
「そういえば昔は水路までびっしり小魚が上がってきていたんだけど、最近は全然見なくなったなあ。」
という話をした。
ビオトープだろうか。
ゲンゴロウ、タガメ、タイコウチ、マツモムシといった水生昆虫、モエビ、スジエビといった小さな水生生物はブラックバスがいると全滅するので、保全するにはこういうのも必要かもしれない。
あとオイカワ、クチボソも魚の中ではどんくさい部類に入るのかブラックバスがいると真っ先に姿を消す。
ウグイはしぶとく残る。
ドンコのようなハゼ類もわりとしぶとい。
コクチバスはもっとやばい。
新潟に内の倉湖というダム湖があるのだが、90年代はへら鮒の外道で50cm級のイワナが釣れる面白い釣り場だった。
だが90年代後半にコクチバスが放流され、00年代前半でイワナは全滅した。
コクチバスは河川や低い水温の湖でも生存するので、オニヤンマやギンヤンマといったトンボ類の生態にまで影響を及ぼす可能性がある。
国が特定外来生物に指定する所以である。
よく、なぜへら鮒はよくてブラックバスはだめなんだという意見を目にするが、へら鮒は小魚や水生昆虫の生態系にダメージを与えない。
共存出来るのである。
釣り人、特にルアーマンはアウトドアや大自然で遊ぶという言葉を使うが、興味があるのは釣りだけで自然にはあまり興味が無い場合が多い。
だから深く考えずにブラックバスをあちこちに放流するのだろう。
釣れなくなったら別の池、その池も釣れなくなったらまた別の池、まるで焼き畑農業である。
ブラックバスが釣れなくなったということは、その池の生態系がブラックバスによって破壊し尽くされて、ブラックバス自身も数を保つことが出来なくなったということである。
少なくとも2013年頃まではブラックバスのいなかった四尾連湖に、2017年には大量のブラックバスが釣れるという話を聞いてなんとも言えない気持ちになってしまった。
四尾連湖にブラックバスを放流したのが誰かわからないので、観光目的で地元民が放流した可能性もあり、部外者としてはいい悪いを言うことは出来ないのだけれど。